新幹線「東京ー札幌間」、時間短縮に何が必要か

制度の壁はクリア、残る課題は時間の壁だ

新函館北斗を発車する東京行き始発の「はやぶさ10号(写真:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2021年4月号「青函トンネル高速化」を再構成した記事を掲載します。

北海道新幹線は、この年末年始に貨物列車と共用走行するために速度が低く抑えられている青函トンネル内の最高速度を開業後初めて時速210kmに引き上げて運転した。一方、現在、新函館北斗ー札幌間の建設工事が行われている。

いずれも設計最高速度は整備新幹線として統一された時速260kmであり、現在、新函館北斗―札幌間の建設工事が行われている。整備新幹線のため設計最高速度は時速260kmであり、最もオフィシャルな鉄道建設・運輸施設整備支援機構のパンフレット等は、交通政策審議会資料を引いて同区間最速1時間13分、東京―札幌間5時間1分と記す。

事業者が「自費でも」と手を上げた高速化

だが、長らく新幹線誘致に取り組んできた北海道側の期成会などは、JR東日本の試験車両等を拠りどころに時速360kmで結べば……の前提に立ち、「札幌→函館45分」「札幌→東京3時間57分」と記して道民の熱を高めてきた。巷間、航空との競争場面では「4時間の壁」があると言われ、たしかに5時間かかっては、旅行者は新幹線に二の足を踏むだろうし、新幹線整備の意義も問われる。

そこでまずは国土交通省が先頭に立って青函区間の速度向上が取り組まれるところだが、それと別にも、複数の速度向上計画が運行事業者から出るようになってきた。

まず、今春3月ダイヤ改正でJR東日本が、密集市街地区間を縫い時速110kmに抑えられている東京―大宮間について荒川以北を時速130kmとする。2018年の計画発表後、防音強化等の工事を行ってきた。所要時間は1分短縮される。そして同社は昨年10月、盛岡―新青森間を時速320kmに引き上げ、約5分を短縮する計画を発表した。

一方、それに先行した2019年5月、長期経営ビジョンに「東京―札幌間4時間半への挑戦」を掲げるJR北海道が、建設中の新函館北斗―札幌間について、時速260km仕様との差額120億円を拠出して時速320km化を図る方針を示し、国土交通省に支援を要請した。これを認めて国土交通省は、鉄道運輸・機構に「JR北海道とよく調整してほしい」と指示を出したところ。こちらも約5分短縮が見込まれる。

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