日本郵政の労働組合が抱く強烈な危機感の裏側

JP労組が会社に異例申し入れ、幹部2名を直撃

「御用組合」と揶揄されたJP労組がこれまでと違う動きも見せている(撮影:梅谷 秀司)
不適正営業で数十万人の顧客に不利益な契約変更、いわゆる乗り換え潜脱をしたとされるかんぽ生命保険の不正問題は、いまなお日本郵政グループに深刻なダメージを与え続けている。
その不正拡大の原因は2015年の賃金改定だと指摘する声は少なくない。同改定ではかんぽの募集を代行する日本郵便の渉外担当社員について、基本給などの固定給を引き下げて営業手当などの変動給を増やした。当時、会社が提案し、日本郵政グループ労働組合(JP労組)が受け入れた。
日本郵便は2020年に渉外社員の賃金体系を元に戻した。このことは、2015年の賃金改定が誤りであったことを会社が事実上、認めたといっていいだろう。改定当時、会社提案に同意したJP労組に対して、渉外社員から「基本給引き下げをのんだ労組の罪は重い」という声が上がる。
労使協調路線を歩み、「御用組合」とも揶揄されるJP労組。だが、昨年12月には会社に注文をつけるなど、これまでとは違う動きも出てきている。JP労組の中央執行委員で企画局次長の栗田進氏と、労働政策局次長の坂根元彦氏が東洋経済の取材に応じ、日本郵政グループに対する強い危機感について語った。

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組合員の処分が重すぎるという声がある

――かんぽ不正問題では、不適正募集を行ったとされる渉外社員に対して厳しい処分が下されています。昨年11月末時点で25人が懲戒解職になり、計1173人が何らかの処分を受けています。一方で、処分対象の選び方や処分の公平性に不満の声が出ています。特に上層部や管理職の処分が軽すぎると怒りの声が上がっています。

栗田 進(以下、栗田):われわれもそこに対しては、非常に問題意識を持っている。まず組合員からは組合員の処分が重すぎるとか、会社の処分の基準がわからないとか、そういう部分について不満の声が聞こえてきている。

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現場からすると今まで会社の方針に従って、上司やインストラクターに言われたとおりの営業をしただけなのに、なぜ自分だけが処分されなければいけないんだという強い不信感がある。このままの状態では今後、営業を再開してもきちんとやっていけないのではないかという声も組合員からは聞いている。

たとえ上司から指示があったとしても、悪いことだと知りながら不適正募集をやってしまった社員は、やはり処分は真摯に受け止めないといけない。ただ、そうするように指導をしてきた上司がそのまま同じようなポストに居残り、今までは「とにかく数字を上げろ」と言ってきたのが、これからは「お客様に信頼されるようにやれ」とまったく違ったことを言っても、それで社員からもお客様からも信頼を得られるのかといえば、それは難しいのではないか。

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