日本郵政の労働組合が抱く強烈な危機感の裏側 JP労組が会社に異例申し入れ、幹部2名を直撃
『週刊東洋経済』は2月8日発売号で「郵政崩壊」を特集。「国有民営」企業のいびつな構造をはじめ、露呈したずさんな体質、その温床となっている「多重統治」、描けぬ成長戦略などを追っている。
組合員の処分が重すぎるという声がある
――かんぽ不正問題では、不適正募集を行ったとされる渉外社員に対して厳しい処分が下されています。昨年11月末時点で25人が懲戒解職になり、計1173人が何らかの処分を受けています。一方で、処分対象の選び方や処分の公平性に不満の声が出ています。特に上層部や管理職の処分が軽すぎると怒りの声が上がっています。
栗田 進(以下、栗田):われわれもそこに対しては、非常に問題意識を持っている。まず組合員からは組合員の処分が重すぎるとか、会社の処分の基準がわからないとか、そういう部分について不満の声が聞こえてきている。
現場からすると今まで会社の方針に従って、上司やインストラクターに言われたとおりの営業をしただけなのに、なぜ自分だけが処分されなければいけないんだという強い不信感がある。このままの状態では今後、営業を再開してもきちんとやっていけないのではないかという声も組合員からは聞いている。
たとえ上司から指示があったとしても、悪いことだと知りながら不適正募集をやってしまった社員は、やはり処分は真摯に受け止めないといけない。ただ、そうするように指導をしてきた上司がそのまま同じようなポストに居残り、今までは「とにかく数字を上げろ」と言ってきたのが、これからは「お客様に信頼されるようにやれ」とまったく違ったことを言っても、それで社員からもお客様からも信頼を得られるのかといえば、それは難しいのではないか。