アマゾンの地味な次期CEOの知られざる素顔

販売手法革新しクラウドを一大産業に育てる

米アマゾン・ドット・コムのアンディ・ジャシー次期最高経営責任者(CEO)はクラウドコンピューティングの世界以外では目立たない存在だが、ここ10年の大部分にわたり、テクノロジー業界で最も重要な人物だったことはほぼ間違いない。

ジャシー氏が率いるクラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は企業による技術購入の在り方を一変させた。コンピューティングサービスを構成要素に単純化し、それらを基本的にインターネット経由でレンタル利用できるようにした。オラクルのようなエンタープライズソフトウエア会社大手は当初こうしたビジネスをはねつけていたが、その後慌ててAWSの戦略の要素を見習うようになった。

アンディ・ジャシー次期CEO撮影:David Paul Morris / Bloomberg

アマゾンはジャシー氏(53)がジェフ・ベゾスCEOの後任に年内に就く人事を2日の決算発表で明らかにした。昨年10-12月(第4四半期)のAWSの売上高は127億ドル(約1兆3300億円)に上り、同部門の年商は500億ドルに達した。

クラウドコンピューティング部門を立ち上げから率いる

ジャシー氏はハーバード大学経営大学院を修了後、1997年にアマゾンに入社。2006年にAWSが初の本格サービスを開始する前から同事業を率いてきた。当時オンライン通販にほぼ専念していたアマゾンにとってクラウド事業は、自然発生的な領域ではなかった。しかし、デジタルシステムを創造し、時に面倒な自前の技術を運用するアマゾンの専門知識のおかげで、他の大企業の技術購入者を悩ます問題への解決策を思い付くことができると、ベゾス氏やジャシー氏ら同社幹部は自信を深めた。

AWSの初期の顧客は主にスタートアップ企業だった。アマゾンは試行錯誤を繰り返して目立たぬ形で同事業を構築し、決算発表では同部門をさまざまな事業を含むカテゴリーに含めていた。アマゾンが15年に同部門の収入を開示したころにはAWSは既に、既存のビジネス技術を追い越す方向に進んでいた。調査会社ガートナーの推計によると、サービスとしてのインフラ市場でのアマゾンのシェアは直近データの19年時点で45%に上っていた。

原題:Amazon’s Incoming CEO Andy Jassy Ushered in Cloud Computing Boom(抜粋)

著者:Matt Day

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