リーフとノートe-POWERの似て非なる購入者 データ分析で見えた販売戦略とユーザーの本音
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2010年12月に発売され、グローバル累計販売台数が50万台に達したリーフ。2016年11月のマイナーチェンジでシリーズ式ハイブリッドである「e-POWER」を搭載し、日産として約50年ぶりに販売台数ランキングの1位を獲得したノート。
この2モデルを筆頭に、ここ10年ほどの間で電動化を推し進める日産であるが、これまでのレビューではリーフはほかのEVやPHEVと、ノートはコンパクトカー市場内での比較が多かったように思える。
そこで、今回はリーフとノート e-POWER購入者を同時に分析することで、それぞれの共通点や相違点を確認してみた。比較参考として、ホンダ「フィット」、トヨタ「ヤリス」、同「アクア」のデータも分析する。
データは、市場調査会社のインテージが毎月約70万人から回答を集める、自動車に関する調査「Car-kit®」を使用した。
<分析対象数>
■日産 リーフ:1,323名
■日産 ノート e-POWER:3,023名
■ホンダ フィット:6,500名
■トヨタ ヤリス:775名
■トヨタ アクア:7,994名
※いずれも分析対象は新車購入者のみとする
※2020年11月24日に発表された3代目ノート購入者は含まない
リーフユーザーの6割が複数所有
まずは細かな項目を確認する前に、性別や年代といった基本的な属性から全体像をつかんでいく。性別ではリーフとノート e-POWERとも、男性ユーザーの多さが特徴的だ。EVやシリーズ式ハイブリッドによる“電気の走り”という特徴に、女性よりも男性がひきつけられていると考えられる。
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年代別では、一般にコンパクトカーの購入者は高齢層が中心となるが、今回のデータでも同様の結果が映し出されている。リーフもほぼ同様の構成となっており、他社の比較車種でも差異は大きくない。
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続いて、そのクルマがどのように使用されるのかがわかる指標の1つである、「保有台数」を確認する。注目すべきはリーフの併有車の多さだ。
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EVは航続距離や充電スポットの課題などもあり、長距離利用に懸念を示すユーザーが多い。今回、分析した実際のリーフユーザーにおいても、6割は複数所有していることから、長距離利用や多人数乗車のためのバックアップ体制を取っている人が多いといえる。
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