日本だけじゃない「人口減少」が映す心配な未来 確実に予測できる事態への備えはできているか

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日本の人口は、20世紀初頭の1900年には4385万人だったが、徐々に増加し続けて第2次世界大戦以前は毎年50万~70万人ほど増え続けてきた。終戦後は、いわゆる「団塊の世代」が誕生し、1946年以降は年間200万人以上の人口増加があった。その後も年間100万人のペースで人口が増える人口増加時代を迎える。

高度経済成長の波に乗って、人口もまた急激に増えていったわけだ。1967年には人口が1億人を突破。1970年代初頭には団塊ジュニア世代のピークもあり、日本の人口は1億2000万人を突破した。

ところが21世紀になって以降、前年の人口がマイナスを記録するなど「人口減少時代」を迎える。その最大の原因は、言うまでもなく「少子化」であり、毎年100万人増えていた出生者数は、2020年には80万人をも割り込むのではないかと言われている。

子供が減少すれば、当然総人口は減少していく。将来的には、人口が100万人規模で毎年減っていく「人口激減時代」を迎えるのではないかと予想されている。よく引き合いに出されるのが、「毎年、鳥取県の人口が消えていく」という表現だが、100万人ともなれば鳥取県(56万人)どころではない。「静かなる有事」ともいわれる。

とりわけ深刻なのが、人口減少の中身だ。65歳以上の高齢者人口は増え続けていくものの、15歳から64歳までの生産年齢人口は減少を続ける。2060年の日本の人口は9284万人(国立社会保障・人口問題研究所の将来推計、2016年)、生産年齢人口は4793万人まで減少する。

とてつもない高齢化が世界を襲う?

人口が半分になってしまう国は日本やイタリアだけではない。IHMEの予想では、スペイン、ポルトガル、タイ、韓国など23カ国で、人口が半数以上減少するとしている。とりわけ、懸念されるのが「高齢化社会」への大幅な転換だ。

IHMEの予想によると、世界の人口の構成比は、今世紀末までに下記のような❝大転換❞が起こるとしている。

●5歳未満の人口……約6億8100万人(2017年)→4億100万人(2100年)
●80歳以上の人口……1億4100万人(2017年)→8億6600万人(2100年)

IHMEの調査を報じたイギリスのBBCは「とてつもない高齢化が進み、誰が高齢者のための医療費を支払うのか」と伝えている。現在、世界第1位の人口を持つ中国も、2029年をピークに人口減少国家の仲間入りをすることになっている。世界銀行のデータによれば、現在の13億8600万人から14億4000万人まで人口が増加したのちに、一人っ子政策の反動などで人口減少が進むことになる。

おそらく人類は、2050年代には史上初めて人口がピークを打ち、人口減少時代に入っていくわけだが、IHMEの指摘によれば、中国のような人口大国が人口減少時代に入り、移民を必要とすれば、世界中で移民の争奪戦が始まるかもしれない。

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