「若返る」箱根登山鉄道、残りわずかの旧型車両 「109号」が3月に引退、レトロな電車3両のみに

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車両の両端に運転台があり、104号―106号の2両固定編成と連結して運行する。前面の下部には、カーブでレールと車輪のフランジの摩耗を防ぐ散水のためのタンクを備える。台車部分にあるレール圧着ブレーキも登山電車らしい装置だ。

車内の前後の乗降扉に挟まれた中央部は進行方向に対して直角になったクロスシート、それ以外の両側の運転室に近い場所は線路と平行のロングシートの配置で、定員は100人(座席定員は44人)となっている。

登場は90年以上前

モハ2形は1927年に登場。当初は木造車でチキ2形として8、9、10号の3両が導入された。主電動機はブラウンボベリー、台車はシュリーレンとスイスメーカーの製品だった。チキのチは「地方鉄道」、キは「客車」を意味したという。1952年にそれぞれモハ2形108、109、110号へと改称した。

109号は1955年に鉄の車体が新造されたが、このときも内装は木造で、今も運転台の扉や荷棚の金属部品に当時のものが残る。その後、阪急電鉄で使っていた電動発電機が取り付けられて車内照明がグローブ電球から蛍光灯になるなど、さまざまな装備の新設や改造が施された。1986年には自動列車停止装置(ATS)を設置したほか、台車が東急車輛製造製となり、「平行カルダン駆動方式」に変わった。座席など車内は2010年に更新した。

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