2011年3月の福島第一原子力発電所の事故後、原発に対する賛成や反対意見など、日立の原発事業に対するスタンスに対し、株主からの質問は毎年寄せられているが、今年もやはり多かった。
「原発から撤退したらどうか」、「原発が全基停止しているが、日立の懸念は」などである。
それらの意見に対して魚住弘人執行役常務は、「原発は社会インフラを担う重要な設備。世界的に二酸化炭素(CO2)の低減策の方法の一つとして、有効なエネルギーであると認識されている。また原子力は、計画から運転、廃炉に渡り、100年に及ぶ長い間責任を持ってやる必要がある」と返答。毅然として日立の原発へのスタンスを説明した。逆に「原子力を技術的な面でもっともっと進めていいのではないか」という意見に対し、魚住執行役は「技術開発を一生懸命やっているし、今後ともやっていきたい」と述べた。
好業績だけでは、あらゆるステイクホルダー(利害関係者)を満足させられない、昨今の株主総会。低い利益率や株価、原発事業の継続など、日立もその例外ではなかった。日立が今後、欧米のグローバル・メジャー・プレイヤーと肩を並べるには、まだまだ解決すべき課題が多そうだ。
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