プーチンの宮殿「暴露」した人物が支持得るワケ ロシアにおける野党指導者ナワリヌイ氏の存在

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ゴロディシェニン氏は、「次の抗議行動では、人が減るのではなく、もっと多くの人が参加すると思う」と語った。「ヴォログダでこのようなことは見たことがない」。

プーチン大統領は以前にも抗議運動を凌駕した。

2012年には10万人以上がモスクワでデモを行った。2017年には、ナワリヌイ氏は全国的な別の動揺を生み出した。2019年には、モスクワ市議会選挙の選挙活動が、首都で抗議の夏を引き起こした。

そして昨年の夏、数千人の人々が、ロシア政府と対立した後に逮捕された人気のある知事を支持して、極東のハバロフスク市で毎週のように集会を開いた。6カ月後も知事は依然として留め置かれている。

政権側の暴力が増大することを予期している

アナリストたちは、ロシアの文化やビジネスの著名人たちが抗議行動にどのように反応するかを注視している。例えば先ごろ、ロシアのポップスター、アーラ・プガチョワがインスタグラムで親プーチンの元夫をフォローしていたのを解除し、ナワリヌイ氏をフォローしたことはソーシャルネットワークで話題になった。

スタノヴァヤ氏は、23日の抗議行動の規模は、ナワリヌイ氏にある種の政治的正統性を与え、ロシアのエリートの中でより多くの人々を、少なくとも個人的には同氏を支持するように導くことができると述べた。この日には、警察は抗議者を棍棒で殴りつけたが、催涙ガスのような激しい方法は控えていた。今後の抗議活動へのより暴力的な対応は、さらなる意図しない結果をもたらす可能性がある。

サンクトペテルブルクのヨーロッパ大学の歴史学者イワン・クリラ氏は、「人々は政権側の暴力が増加することを予期している」と語った。「楽観的なシナリオは、そのようなことがエリートに何らかの亀裂を誘発するということだ」。

ロシア当局は、強硬路線に従うことを示唆し、路上封鎖の罪を含め、抗議者に対する一連の刑事事件を明らかにした。

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