方南町に西高島平…なぜ「行き止まり」駅なのか 直通や乗り換え路線なし、延伸構想ある路線も

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首都高5号線の高架(手前)と三田線の西高島平駅(奥)(筆者撮影)

現地で見てみると、西高島平駅のすぐ先を首都高速道路5号線の高架がほぼ直角に交差するように通っており、この先どこに線路を伸ばすとしても、首都高をくぐる必要がある。首都高5号線のこの区間が延伸されたのは1990年。三田線延伸構想が答申から消えた後だ。

【2021年6月3日19時10分追記】首都高速道路と三田線の高架の関係についての記述に誤解を招く表現があったため、本文とキャプションを修正しました。

ここまで見てきた路線の各駅は、今後も行き止まりのままであろう。だが、一方で将来の延伸が期待される路線もある。都営大江戸線である。

実現性の高い大江戸線延伸

都営大江戸線の延伸計画は議論が進んでいる。2016年の交通政策審議会答申第198号では、光が丘から大泉学園町を経て東所沢へと向かう計画がある。このあたりは鉄道空白地帯であり、「都営12号線」として計画されていた当時から、郊外への延伸が考えられていた。

その点で、光が丘は東京の地下鉄行き止まり駅の中ではもっとも将来の希望がある駅である。

大江戸線延伸計画区間の駅予定地にある看板=2019年(編集部撮影)

東京都練馬区や埼玉県新座市などの1区4市は「都市高速鉄道12号線延伸促進協議会」を設け、延伸を都や埼玉県に要請しつづけている。埼玉県知事の大野元裕氏は知事選出馬時の公約に都営大江戸線や日暮里・舎人ライナー、さらに多摩都市モノレールや都営三田線の延伸も掲げている。

この中には難しそうなものも含まれるが、都営大江戸線の延伸は以前から要望が続いているものであり、地域からも実現への期待が寄せられている。少なくとも都内の区間については想定ルートの地上部分である道路の整備も進んでおり、駅予定地も確保されている。また、東京都が2019年に公表した「『未来の東京』戦略ビジョン」でも、大江戸線の延伸は「関係者と事業化について協議・調整を進める」とされている。

東京の地下鉄、行き止まりの路線にはいろいろと理由があるものの、その中でも大江戸線は今後の希望を感じさせられる路線だ。

小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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