方南町に西高島平…なぜ「行き止まり」駅なのか 直通や乗り換え路線なし、延伸構想ある路線も
都営浅草線の西馬込駅は、国道1号の地下にある。
この駅の近くには、馬込車両検修場が存在する。ここへの入線のしかたは面白い。いったん引き上げ線を進行したあと、スイッチバックして入線する。駅からまっすぐ車両基地に入るわけではない。土地の形ゆえ、こういった形態となるのはやむをえないものの、わざわざ地上に引き上げ線を設けているところが興味深い。
実際に西馬込駅周辺を歩いてみると、国道1号は道幅も広く周辺の人口も多い。地図を見るとこの先へ延伸して神奈川県内のどこかに……とも思えるが、そういう案は実際にあった。1985年の運輸政策審議会答申第7号では、西馬込から神奈川県方面への延伸について「今後検討すべき」とされていた。だが、2000年の交通政策審議会答申第18号では削除された。
馬込車両検修場は敷地の形の都合で本線からはスイッチバックして入出庫する形だが、逆にいえば本線はそのまま延伸できそうだ。あるいは将来路線を伸ばす場合、支障をきたさないようにという配慮もあったかもしれない。だが、都営浅草線は西馬込までの路線として現在に至っている。
行き止まりになってしまった三田線
一方、もともとはさらに先へ延びるはずだったものの、それが実現せず行き止まりになってしまった路線もある。都営三田線だ。終点の西高島平に行くと、その様子がよくわかる。
三田線は、志村坂上から西高島平までは高架区間を走る。終点の西高島平を降りると、そこで線路がぷつっと切れたかのようであり、まだ先に行けそうな感じがある。もともと同線は西高島平のやや西、和光市から東武東上線に乗り入れる計画で、高島平から先は東武が路線免許を持っていた。だが、東武がその計画を撤回。都が免許を譲り受け、三田線として高島平―西高島平間が開業した。
行き止まりになってしまった西高島平だが、東武との乗り入れ計画が破談となった後、それとは別に埼玉県内の浦和・大宮方面へ伸ばす構想もあった。1972年の都市交通審議会答申第15号に記載されている。だが、1985年の答申第7号ではこのルートは消えた。
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