CSR企業ランキング2010年版--社会に必要とされる企業は、1位パナソニック、2位トヨタ自動車

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 3位は昨年トップのシャープ(534.5点)。太陽電池など環境関連事業は健在で、「環境」は2年連続のトップ。その他の各分野の得点も高水準だ。だが、「財務」が上位2社に若干見劣りし、首位陥落となった。

以下、4位富士フイルムホールディングス(533.4点)、5位デンソー(531.9点)、6位リコー(530.0点)と続く。

上位には大手メーカーがズラリと並ぶ中で昨年24位から10位に上がったのが日本郵船(520.0点)だ。昨年67.2点と低かった「環境」が83.6点にアップしたことが大きく寄与。製造業以外の10位以内は初めてのことだ。

環境評価のウエートが高い本ランキングは、製造業が有利という面がある。だが、あらゆる業種で各企業は積極的に環境問題に取り組み始め、レベルも上がってきている。今後は非製造業の環境分野の得点はさらに上昇しそうだ。数年後のランキング上位の顔ぶれは大きく変わっているかもしれない。

CSRの取り組みの本質は企業が発展していくための土台作りである。企業統治、雇用、環境などできちんとした体制が整っていれば、顧客を軽視した対応をすることもないし、一時的なトラブルで屋台骨が揺らぐようなことにはならない。

ランキング上位にはしっかりした土台はもちろんのこと、財務面の評価も高い「社会が必要とする企業」が並ぶ。時にはトヨタ自動車のように激しい批判を受けることもあるだろう。だが、企業の基礎がおかしくなっていなければ、自助努力で立ち直る可能性は高い。このランキングはこうした本当に強い企業を見抜くための有力なツールになると考えられる。

■上位200位までのランキングと、各評価項目の詳細、評価方法の詳しい解説はこちら(「投資お役立ちランキング」欄に掲載)
(岸本吉浩 =東洋経済オンライン)

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