太陽電池事業は、今後数年で格付け評価上の比重が一段高まる可能性《スタンダード&プアーズの業界展望》


事業基盤の強化を急ぐ国内主要メーカー

太陽電池市場において、08年の世界生産量ベースで世界第4位(6.8%)であり国内最大手のシャープは、10年3月に新工場を稼働させ、薄膜シリコン型の生産量を従来の4倍に拡大する計画である。同社は変換効率の高い「結晶型」と、大規模プロジェクトに適している「薄膜型」をともに手掛けている。また、イタリア最大の電力会社エネル社との合弁を通じ、薄膜太陽電池の生産から発電事業までを一貫で行う新たな事業モデルの構築を進める方針を明らかにしている。

一方、国内2位の京セラ(世界シェア4.2%)は、現在「多結晶シリコン型」に注力している。同社も生産量を3年後に現在の2.5倍に引き上げる方針を示すなど、量産体制構築に積極的である。

「単結晶シリコン型」に注力し、現時点で世界最高レベルの変換効率を誇る三洋電機は、パナソニックの傘下で今後も着実な能力増強を図るとともに、パナソニックの販売チャネル活用や他のグループ事業との協業を通じて、一段の事業拡大を進める方針を示している。

三菱電機(多結晶シリコン型)や昭和シェル(化合物薄膜型)、ホンダ(化合物薄膜型)なども取り組みを強化している。

非常に高い事業リスク

スタンダード&プアーズは、太陽電池市場の潜在的成長性が高いとはいえ、その事業特性や今後の事業環境から、同事業の事業リスクはエレクトロニクス関連産業の中でも非常に高い部類に属すると考えており、その度合いは、DRAM製造などの半導体事業におおむね近い水準と判断している。以下がその主な理由である。

●技術革新が非常に速く、各社の市場地位が短期間に大きく変動する可能性がある。
●積極的な能力増強により、今後1~2年に供給過剰の状態が解消されず、世界的な価格競争が一段と強まる可能性が高い。
●韓国のサムソン電子やLG電子、台湾TSMC社など、多くの有力メーカーが参入を表明。競争環境はさらに厳しさを増す。
●引き続き、各国の政策支援が今後の市場成長を支える重要な要素になっている。

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