EXILE HIROが有料生配信ライブに見出した活路 プロダンス、世界への挑戦、仲間、そして未来

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――アーティスト名に「from EXILE TRIBE」を付けた理由とは。

僕らがまだ何者でもない時代に「EXILE」に改名し、小さな事務所を構え、メンバーと一丸となってがむしゃらに働いた結果、LDHは短期間で今の事業規模に拡大しました。

デビュー当初は芸能界の荒波にもまれながら「僕たちのスタイルの証明」という、インパクトを残すには何かが足りなかった。アーティストで成功するだけでなく僕らの存在や思いを現象にして、定着させたかったんですよね。

そこで僕らのスタイル、同じ理念を持つアーティストのグループ名に“from EXILE TRIBE”をつけ、アーティストとしての自分たちの成り立ちや生い立ちを表現しながら、日本のマーケットに打ち出したんです。

「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」、「GENERATIONS from EXILE TRIBE」。どれも長くて、記者の方を困らせることもあるけれど、おかげで今では「EXILE系」として認知してもらえるようになりました。

ところがここ最近は、この「EXILE系」という偏ったイメージに足を取られそうになるんです。僕らはずっと変化し続けているのに「EXILE系」の印象が強すぎるのでしょう(笑)。僕は新しいEXILEを目指したい。今までのいいところは残しながら、これからのイメージをつける為にどんどん行動していきたいと思います。

皆さんに新しい「EXILE系」を愛してもらえたら、こんなすてきなことはないですね。

いつ僕がいなくなってもびくともしないLDHに

――2030年にHIROさんが描く未来は。

10年後、僕は還暦を迎えています。そのときには自分の人生を一度セーブして、リセットしているというか。少し自由になっていたいです(笑)。50代のうちに僕が抱えてきた仕事を若い世代にどんどん譲って、いつ僕がいなくなってもびくともしないLDHをつくりたい。

もともと僕は、人をまとめたり、リーダーシップをとったりすることがあまり得意ではないんです。

考えることや創造することは大好きなので、今まで培ってきた経験で、1つの作品やエンタテインメントに全身全霊で取り組んでみて、今までに叶わなかった自己顕示欲を満たしてみたいです。

とにかく、今回のコロナ禍でも痛感しましたが、僕らのエネルギーの源はファンの皆さんの応援であり、ファンの皆さんに僕らのエンタテインメントを通して、同じ時代を生きている証をいくつ残せるかということ。そこはLDHのエンタテインメントを創造するにあたって根本的な思いであり、変わらないところだと思いますので、この思いを胸に、自分がいくつになってもLDHの発展の為、ファンの皆さんの喜びの為、精進していきたいと思います。

(構成:両角 晴香/ライター)

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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