ローランドMBOに参画した米ファンドの本音

タイヨウ・ファンドCEOが語る、「ゲスト株主」の狙い

――MBOの発表会見の資料を見たが、あまり具体的でない印象だ。「全社一丸となっての構造改革」とは、具体的には何を指すのか。

三木 基本的に中期経営計画で掲げているものからベースを変えるつもりはなく、そのスピードを上げたいと思っている。つまり、売上高の回復に依存するのではなく、まずローコストオペレーションを徹底する。課題は山積みだが、正直上場したままではすべてを解決するのに4年、5年かかってしまうのではないかという危機感があった。

ヘイウッド 四半期のことが(従来の計画と)変わっても許さないというマーケット。ここでいっそうスピード感を出すというのは難しいと思う。

MBOはローランドから提案した

ブライアン・ヘイウッド(Brian K. Heywood)●1991年ハーバード大学卒業。米調査会社JDパワー・アンド・アソシエイツ、シティバンクなどを経て、2001年タイヨウ・パシフィック・パートナーズ設立

――ローランドに興味を持っているファンドはほかにもいっぱいあったと聞いている。どういう流れでタイヨウと組むことになったのか。

三木 今回のスキームでいうと、まずローランドDGの株を売る。(自己株を買い取る)DG側の資金の問題もあり、全部一気に買い取ってもらうことは不可能だったが、仮に今後全部買い取ってもらっても、(得られる資金は)200億円強。現在のローランドの株を全部買うためには、あと200億円くらい必要だが、4期連続赤字まで出したローランドが銀行から借り入れるのは不可能な状態だ。

すると非上場化するためには、当然エクイティスポンサーが必要になる。これをどこで探してくるか。もちろん証券会社に別のファンドを紹介してもらうこともできたが、初めて会ったファンドと、赤字の時も含めて7年間ホールドしてくれていたファンドと、どちらが信用できるか。きちんとゴールを共有できるのはタイヨウだろうと判断した。

――驚いた。すると、MBOはローランドからの提案なのか。

三木 基本はこちらからの提案。1月くらいに議論を始め、方法論を洗い出した。6月には買収防衛策が切れるという問題もあったので、今回このタイミングでMBOを決断したという流れ。

――現時点で、TOBが成立する確率は高いと考えているか。

三木 そう思っている。(ローランド文化芸術)財団の最終決議は出ていないが、主力(株主)の金融機関のところを合わせ、財団の保有株より多い割合の株が応諾という形でスタートしている。ただ結局、最後の段階まで、ふたを空けてみないことにはわからないが。

――タイヨウがローランドの株を持って7年間、双方で130回以上のミーティングをしてきたと前回のインタビューで聞いている。それだけの助言があったにもかかわらず、ローランドの業績が上向かなかったのはなぜか。

ヘイウッド はじめに言ったとおり、タイヨウは(投資先に)無理矢理なにかをさせるようなことはしないからだ。これからも(そのスタンスは)変わらない。「外から見ると、あなたの会社はこう見える」というふうに、とにかく分析をして、情報を提供するという方法で長くやってきたのだから。

連続赤字になったとき、正直どうしようかと、この会社を変えることはできるだろうかと、不安になったこともある。だが、そのときに三木さんが社長になった。彼と話をすると、思い切って(構造改革を)やりたいという気持ちが伝わってきたし、これならなんとかなると思えた。

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