ローランドMBOに参画した米ファンドの本音

タイヨウ・ファンドCEOが語る、「ゲスト株主」の狙い

そもそも、タイヨウは短い期間だけで買って、売って、儲けるという会社ではない。投資する会社には3つの条件がある。1つめは価格が安いこと。日本には安い会社が多い。2つめに独自の技術で、アドバンテージ(優位性)がなければ、興味はない。そして、3つめが経営者の素質だ。

ローランドを見ると、確かに株は安すぎる。それでも、なんだかんだずっと続いてきた会社だ。どうやって回復させるかということこそが問題だ。今回やりたいのは、価値のある会社は、もとの価値に戻るということの証明なのだ。

ほかの電子楽器メーカーと比べても、ローランドは音のサンプリング方法などで独自の技術を持っている。音楽のプロもそれを認めている。そういうものを作れるパッションは、ほかにはない。パッションのない会社はどんなに利益を出していてもいつか死んでしまうが、ローランドにはポテンシャルがある。

タイヨウは短期の利益志向ではない

――創業者の梯氏が反対しているという点はどのようにとらえていたか。

ヘイウッド 梯さんのことはすごく尊敬している。この会社ができたのは、彼が面白いことを考え、努力してきたからだと思っている。今回(のMBOに関して)も、理解してほしいと思っていた。われわれは、何も敵対的なことはしないのだ。

ただ、今は梯さんに経営の責任はないし、株も持っていない。より経営に責任を追っているのは三木さんだ。梯さんも理解してくだされば大変うれしいのだが。

三木純一(みき・じゅんいち)●1977年にローランド入社。主に電子オルガンなどの開発部門に所属。1994年に取締役就任、2013年から現職

――梯氏が反発するだろうということは事前に予想していたのか。

三木 身の丈に合ったサイズで経営すべきとか、非上場化した方がいいとか、そういう大きな方向性では、梯さんと現経営の考え方は一致していると思う。だが、具体的な方法をめぐっては、考えが異なる部分もあったのは事実。

今回のようにMBOを行うことは初めてだったので、梯さんがどんな反応をされるかはわからなかった。ファンドはすべて短期の利益志向と思われているのかもしれない。タイヨウは違うのだが。

――それをわかってもらうための対話は、どのように進めてきたのか。

ヘイウッド 彼に直接会って、説明した。3時間ずつ、2回会って話したが、そのときには反発をされたわけではなかった。ご理解いただけないのは残念だが、もう三木さんと一緒に頑張っていくしかない。それに、タイヨウは7年間株主であり続けているわけだから、「短期的な利益を求めるファンド」と(一緒くたに)言われるのは、ちょっと待ってほしい。

(撮影:今井康一)

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 見過ごされる若者の貧困
  • 新型コロナ、「新しい日常」への前進
  • iPhoneの裏技
  • CSR企業総覧
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日米の躍進銘柄を総まくり<br>発掘! 未来の成長企業

米国の株式相場上昇に目を奪われがちですが、日本でも未来を牽引する成長企業は確実に育っています。本特集では「新興成長企業」や「トップの通信簿」などのランキングを掲載。GAFAMやメルカリの次の新主役を探しましょう。

東洋経済education×ICT