失踪疑惑?アリババ「ジャック・マー」の胸の内 逆風が強まる中、中国では論争も巻き起こる

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マー氏がアリババ会長を退任した2019年9月、「ジャック・マーが時代をつくった」と称える投稿がSNSなどで拡散した。その数日後、国営メディアの人民網はジャック・マー崇拝を諫めるかのように、「いわゆるジャック・マー時代は存在しない。時代の中にジャック・マーがいただけだ」と題し、次のような評論記事を掲載した。

若者までもが論争に参戦

「成功した企業家、企業は必ず偉大な時代背景を拠り所としている。十数億人の中国人の消費者意識が覚醒した時代が、マーと彼のビジネスの成功の基盤となった。時代を捉えた者だけがポテンシャルを最大限に発揮でき、ジャック・マー、馬化騰、イーロン・マスク、そして私たちのような一般人も例外ではない。成功者を盲目的に崇拝するのではなく、時代背景を冷静に認識するべきだ」

アリババへの逆風が強まり、マー氏が沈黙を続ける中で、国営メディアから10代の若者までが「ジャック・マーと中国史」を巡る論争に参戦している。

いずれにせよ、経営の一線から退いたにもかかわらず、2カ月発信しないことで世界的ニュースになる起業家がどれほどいるだろうか。その事実をもってしても、彼が当代を代表する経営者の1人であることは、疑いの余地がない。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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