菅首相、むなしき「1カ月で事態改善」の決意 感染拡大続けば、政権の「3月危機」に現実味
この首相会見はネット上でも生中継された。冒頭発言最後の「お願い」のくだりでは、中継画面に「国民にお願いするならメモなど読むな」などの書き込みがあふれた。併せてSNS上では「#ガースー」のハッシュタグがトレンド上位に並び、「心に響かない」などの不満が爆発した。
自民党内でも「このままでは内閣支持率のさらなる低下は避けられない」(幹部)との悲観論が広がっている。
首相自ら認めた「見通しの悪さ」
今回の緊急事態宣言は、飲食店の時短など限定・集中的な対策が特徴だ。菅首相は「1年間に学んだ結果」と胸を張るが、会見の冒頭発言で「今回の感染の波は、私たちが想像していたものを超えた」と述べたこと自体が「見通しの悪さを認めた」(閣僚経験者)ことにもなる。
宣言解除の見通しについて、感染症分析を専門とする京都大学の西浦博教授は「今回の対策では高止まりが続く」と断言。前回宣言時と同レベルの対応でも感染鎮静化には2カ月はかかるとのシミュレーションを公表した。
菅首相は会見の質疑で、「宣言を仮に延長する場合、今回と同様に1カ月程度の延長を想定しているのか」と問い詰められると、「仮定のことについては私からは答えは控えさせていただきたい」と薄笑いでかわしたが、記者団からは失笑が漏れた。
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