菅首相、むなしき「1カ月で事態改善」の決意 感染拡大続けば、政権の「3月危機」に現実味

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7日に改正された緊急事態宣言の具体的対処方針は、①飲食店などの午後8時までの営業時間短縮②住民の午後8時以降の外出自粛③在宅勤務(テレワーク)などの徹底による出勤者の7割削減④イベント開催、施設利用の制限、の4本柱。ただ、いずれも強制力を伴わない要請にとどまる。

宣言は新型コロナ対策の特別措置法に基づくもの。政府は専門家による基本的対処方針等諮問委員会を開いたうえで、コロナ担当の西村康稔経済再生相が同日午後の衆参両院の議院運営委員会で報告・説明した。

宣言解除は「1日500人」が目安

その中で西村氏は、最大の焦点となる宣言解除について、「感染状況が4段階中2番目に深刻な『ステージ3』相当に下がったかを踏まえ、総合的に判断する」と説明。具体的には東京都で感染者数が1日当たり500人に減少することが目安になるとの認識を示した。 

政府は7日午後5時過ぎから対策本部を開催。これを受けて菅首相は午後6時から首相官邸で記者会見し、国民に協力を呼び掛けた。

菅首相の本格的記者会見は4日に続き、今年2度目となる。冒頭発言では緊張した表情で飲食店への時短要請などを説明したが、これまでと同様、手元のメモに目を落としての棒読みを10分余り続けた。

菅首相は「最後に国民の皆さんへのお願いがあります」と視線を中継カメラに向け、「1年近くにわたるコロナとの闘いにおいて、痛みを伴う自粛要請、こうしたことに協力をいただいております。国民の皆さんに心から感謝申し上げます」と頭を下げた。

続いて「今回の世界規模の感染の波は、私たちが想像していたものを超え、厳しいものになっています。しかし私はこの状況は、必ず克服できると思っています。そのためには、もう一度、皆さんに制約のある生活をお願いせざるをえません」と述べ、会話時のマスク着用、テレワーク7割、不要不急の外出自粛を呼びかけた。

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