ジム・ロジャーズ氏「バイデン政権暴落に注意」 米大統領選挙後の2021年、「要注意の年」が来た

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すでにロジャーズ氏は2020年の5月の段階で日本株のETF(上場投資信託)に投資をしています。それは日本銀行がETFに投資をしている、という理由からです。

また、ワクチンニュースで一時大幅に反発した航空会社の株式なども、やはり2020年前半の早い時期に取得をしています。一番被害が大きかったセクターが大幅な反発があるという予測からです。

同じく大投資家のウォーレン・バフェット氏はコロナ禍が想定よりも深刻だとわかると、2020年の早い時期に航空会社株を手放し撤退しましたが、ロジャーズ氏は誰もが注目をしていない時期に、散々たる被害を受けている観光産業に、いち早く投資をしたのです。

「この時期に取得をするなんてクレイジーだ」と感じたのですが、後から振り返るとロジャーズ氏が言っていた時期が底値圏だったのです。ワクチンニュースが出てからは急上昇しました。ハイテク株だけでなく、バリュー株と言われる伝統的な株に関しても、株価は上昇傾向です。

過熱相場は続くが、バイデン大統領は市場にマイナス

ただし、ロジャーズ氏は「過熱した『バブルの末期』には暴落が待っている」とも指摘します。

「相場過熱時には勢いで買いが入り、上昇しているというだけで買ってしまう人も出てくる。歴史をさかのぼれば、この買い方が功を奏したことは稀だ」

現在、ビットコインなどは「上昇しているから」という理由だけで購入をしている投資家も多いわけですが、ロジャーズ氏はハイテク株の取引と同様に、一部の敏腕のトレーダーを除いては、こうした投資方法は賢い手法ではないと断言します。

なぜなら、投資で成功をするのはシンプルで、安く買って高く売るだけだからです。ビットコインのように、すでに高くなっている投資対象にわざわざ投資をする必要はありません。

「現在、バブルが弾ける前の過熱相場の症状は見事にそろっている。2020年8月の相場などはまさに典型的なものだった。しかし過熱相場はまだ序の口で、これから続くと思っている」と指摘しています。

いよいよ1月20日にはアメリカでジョー・バイデン氏が新しい大統領に就任、新政権がスタートします。ロジャーズ氏はどう見ているのでしょうか。

「市場にとって、バイデン氏は好ましくない。しかも、アメリカは久しく、長期のベア(弱気)相場を経験していない。このような状態は過去に例がない。つまり、今は、来るべきベア相場が大幅に遅れている状態であり、もしそれが到来したときには、私の人生で経験したことのないような最大級のものになるだろう」

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