30年越しの仕返しを、いつかロサンゼルスで
母がまだ入院していたときに、僕は30歳の誕生日を迎えた。そこで父、妹と3人で母の病院に押しかけ、談話室で僕の三十路祝いをした。妹が買ってきてくれたケーキのプレートには、「おにい30歳おめでとう」……ではなく、「あきら&ちせつ 30th anniversary as 親」と書かれていた(親になって30周年。「あきら&ちせつ」は両親の名)。
生活能力ゼロの父を放ってはおけないと思ったのか、母は順調にリハビリをこなし、しっかり歩けるようになって退院した。とてもありがたいことに、父も転移なく元気にやっている。
両親に元気なうちにロサンゼルスに遊びに来いと言っているのだが、老けて出不精になったせいで、なかなか重い腰を上げてくれない(チタン合金製の足のせいで空港のセキュリティチェックにひっかかるのが面倒、などと言っている)。
もし来てくれたら、オンボロのシビックで空港まで迎えに行って、後部座席に乗せ、霧吹きで水をぶっかけて、30年越しの仕返しをしてやろうと企んでいるのだが。
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