日本の男は自分の履く「ゲタの高さ」を知らない 袋小路に入っている日本に突然変異は起こるか

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出口:支配階級の中から変革を志向するグループが出てくることもあるのですが、どちらが多いかというと、やはり外部から異民族などがやってきて変革するパターンのほうが多いと思います。

上野:異人が変えるということですね。

出口:1つの集団がそれなりの秩序を保って続いているということは、免疫を持っているということです。だから異物は自動的に取り除かれてしまいます。

会社でも現在の体制に文句をつけそうな人は、閑職に追いやったりして出世させない。あるいは辞めるように仕向ける。集団を維持するための免疫が働くからです。あの強大な官僚組織を持つソビエト連邦からゴルバチョフが出てきたことは例外中の例外だと思います。

1つの集団を変えようとする時は、外部から異質のグループを入れるのがいちばんです。それをうまくやったのが外部から招聘された資生堂の魚谷雅彦社長だといわれています。

上野:どんな方法ですか?

出口:企画部門など枢要部門に異質な人を半数くらい外部から採用したそうです。異質な人が1人だけだと「うちの会社はダイバーシティに力を入れている」というポーズに留まりますが、たくさん入れば免疫が効きません。生え抜き組と新参者との間が部内でバトルが起きてお互いが必死になった結果、確実に社内が変わっていったそうです。

上野:いま既得権益を持っている人たちが、自己変革で変わることはほぼ期待できないので、彼らが死に絶えるのを待つしかないのですが、その前にこちらの命が尽きてしまいそうです。

クオータ制とダイバーシティ

上野:出口さんが創業したライフネット生命では、新卒一括採用、終身雇用、年功序列、定年をすべて廃止したそうですね。

出口:はい。就業規則は僕が一から書きましたから。年俸制で定年もありませんし、今の社長は30代です。

上野:ライフネット生命はゼロからスタートしたからそのような人事制度を採用することができましたが、やはりすでにある均衡を崩すのは難しいでしょう。

出口:方法としては、要職につく女性を一定数に定めるクオータ制を導入するしかないのではないでしょうか。そこから日本型経営を変えていく。

上野:最近「202030」が実現できないと、政府が声明を出しました。

2003年に小泉政権下で、社会のあらゆる分野において2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30パーセント程度にする、という数値目標を作った時は、17年もかけたらなんとかなると期待がありました。私はなぜ「202050」じゃないの? と思ったくらい。ところが2020年になっても状況はほとんど変わっていません。

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