「逃げ恥」みくりも使った?人生の難問解く方法 難しい問題に対峙した時にまずすべきこと

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難しい問題に直面した時、まずやってみたいこととは(写真:marchmeena/PIXTA)
数学的思考ができるビジネスパーソンを育成する「ビジネス数学」を提唱し、延べ1万人以上を指導してきた深沢真太郎氏。最新刊『数学的思考トレーニング』では、数学的思考法を「定義」「分解」「比較」「構造化」「モデル化」の5つの思考法に整理し、その頭の使い方(動かし方)を楽しくトレーニングできるようにしている。ここでは、「分解」の重要性について、例題をもとに解説してもらった。

「忙しい」山田さんの問題は?

突然ですが、下記の山田さんがあなたの同僚だったとしたら、どうしますか? まず1人で考えてみてください。

【問題】
仕事において「忙しい」「時間がない」が口癖の山田さん。余裕のある働き方ができるようにアドバイスをしたい。さて、あなたなら何をしますか?

まずは山田さんの時間の使い方を分析したいところです。分析とは、分解することです。さっそく分解してみましょう。山田さんの1日の平均勤務時間は9時間(540分)であり、その内訳は上の円グラフの通りです。

もっとも多いのは商談(外出)となります。しかしだからといって商談(外出)を減らしなさいとはアドバイスしにくい。ここで分解脳を持つ人なら、この商談(外出)をさらに細かく分解してみようとするでしょう。この平均210分のさらに内訳を確認したところ、下の円グラフのようになったとします。半分近くが移動に費やされています。ここが問題ではないでしょうか。

加えて本題の前にしている雑談が長すぎるのではないでしょうか。もちろんその雑談は必要なのかもしれませんが、商談全体の30%近くも使ってする必要があるのでしょうか。

これを踏まえ、私なら山田さんに迷わず(すべてではないにしても)オンライン商談に切り替えることを提案するでしょう。もちろん移動時間の短縮という効果が見込めます。加えて、オンライン商談にすると、長時間の雑談は気分的に〝しんどい〞気がするのは私だけではないでしょう。簡単に挨拶した後にすぐ本題に入るコミュニケーションにせざるを得ません。

時間を細かく、漏れやダブりなく分解したことで、問題解決のヒントが得られました。

こうして解説をすれば、多くの方は「こんなの当たり前のこと」と思うかもしれません。しかし現実はどうでしょう。あなたの脳は本当にこのような局面でこのような分解を瞬時にしようとしてくれているでしょうか。

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