読売新聞、M&A攻勢で回帰狙う「あの頃の巨人軍」 レジャー強化で伝説の多摩川グラウンド再現も

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地域貢献にも力を入れる。お手本はサッカー・Jリーグだ。村井満チェアマンに協力いただき、実際の活動を見学して大変感銘を受けた。J2のV・ファーレン長崎は離島振興の活動に参加し、自治体の婚活イベントにも協力している。選手が小・中学校の総合学習の授業に参加したり、高齢者の介護施設を訪れて入居者やスタッフを元気づけたりと、地域に溶け込んだ活動をしている。

そこまで熱心に取り組めば、それは応援されますよね。プロ野球はそうした草の根の活動がおろそかになっていたかもしれない。足元から見つめ直し、新球場を機に地域貢献に力を入れたい。

よみうりランドがTOB前に掲げていた成長戦略は継続される(編集部撮影)

――隣接する遊園地とのシナジーにはどのようなものがあるのでしょうか?

遊園地は巨人軍を強調するような方向を描いているわけではない。よみうりランドが培ってきた「らしさ」は大事にすべきだし、巨人軍のカラーだけで集客するのは無理がある。よみうりランドには2019年に打ち出した「スーパー遊園地構想」がある。この構想に沿って研究を進める。

後楽園時代より球団と球場に距離間があった

コロナの影響もあり、計画の年次や着手の順番をどうするかといった点は熟慮が必要だが、よみうりランドと南山地区一帯でレジャーの幅を広げ集客を実現したい。その中で、巨人軍も新たなファンを増やせたらいいと思っている。一帯を巡回する無料バスを走らせて多彩なレジャーを楽しんでもらい、その中で巨人軍にも触れていただく。そんなことを考えている。

――一方、東京ドームについて、同社とはどのような関係性だったのでしょうか?

前身の後楽園スタヂアム時代は、球場の単なる使用者と所有者ではなく共同事業者、パートナーの関係だった。当時、プロ野球の多くの球場は球団とそこまで密接な関係ではなく、巨人軍にアドバンテージがあった。

東京ドームという会社の功績は、国内初の多目的ドーム球場のビジネスを高いレベルで成功させたこと。その後も多彩な事業を軌道に乗せていった。だが、それにつれて、読売グループと東京ドームの距離は互いに気づかぬうちに離れていったと思っている。

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