スズキ「新型ソリオ」に見るコストダウンの代償

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ただ、内装部品の変更によって、後席の乗員の肩回りの空間は改善されているとのことだ。内装の造形などで見栄えは変わるかもしれないが、寸法的には大きな変更を感じられないというのが新型ソリオの第一印象だ。

メーターについては、視線移動を減らすために運転席前方のヘッドアップディスプレイを採用している(写真:スズキ)

室内は、センターメーター方式のダッシュボードも変わっておらず、その造形に少し変更が加えられている程度だ。新しい点としては、センターメーターへの視線移動を減らすため、運転席の正面にヘッドアップディスプレイが設定されたことだろう。ヘッドアップディスプレイは、視線移動を減らす効果はあるが、そもそもセンターメーターをやめる考えはなかったのだろうか。運転者の前に見やすいメーターを設置すれば、ヘッドアップディスプレイという追加装備の必要性は下がる。

そのほか室内装備で目新しいのは、前後席の間の天井に薄型のサーキュレーターが装備されたことだ。これは、ダッシュボードから噴き出す空調の空気を後席へ送り込む装置で、空調の強さをそれほど上げなくても後席が前席と同様の快適さを得るための工夫だ。その結果、空調の運転を抑制することで、燃費にも効果があるのではないかと考える。あわせて、後席横の窓にサンシェードが設けられているので、直射日光を防げるとともに、外から室内を覗きにくくもなった。

夜間の安全性確保に注目

内外装以外の部分を見て、新型ソリオで力を注いだのは、安全性能のように感じた。夜間の歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキ、ヘッドランプのハイビームとロービームを自動で切り替えるハイビームアシストが新たに採用されている。衝突軽減ブレーキは、従来タイプも人とクルマの両方を検知したが、新型ソリオでは夜間の歩行者も検知するように進化している。また、街灯の少ない道でのハイビームアシストは有効であり、これらの安全装備は夜間の安全性向上に大きく役立つだろう。

そのほかでは、後ろのパワースライドドアに予約機能が追加され、運転席の下にアンダートレーも設定されている。フルモデルチェンジではあるが、全体的な変更箇所はおとなしい印象を受けた。

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