2丁目「人気ドラァグクイーン」直伝の悩み解消 こんがらがった頭の中を整理する究極のメモ術

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●なんちゃってカラーバス法

なんちゃってカラーバス法は、考えるための材料やアイデアの種となるものを集める方法であり、加藤昌治さんが『考具―考えるための道具、持っていますか?』(CCCメディアハウス)の中で紹介された「カラーバス法」をヒントにしたものです。

これも、やり方は簡単。今、考えなければならないこと(付箋に書いたこと)を頭に入れつつ、普段どおりの生活を送り、もし材料やヒントになりそうなものが目についたら、すかさずメモしていくだけです。

「自分ごとになると、人は無意識のうちに、その物事に関する情報を集めるようになる」と書きましたが、考えるべきことを絞り、そこに意識を集中させると、街を歩いていても、テレビを観ていても、本やネットを見ていても、自然と「考えるべきこと」に関する情報が集まってくるようになります。それらはきっと、アイデアを生み出したり思考を深めたりするうえで、役に立つはずです。

さまざまな角度から捉える「9マス法」

●9マス法

9マス法は、グラフィックデザイナーの今泉浩晃さんが考案されたものですが、私はそれに少しアレンジを加え、発想の幅を広げたり、アイデアや仮説をつくったりするために使っています。やり方は以下のとおりです。

①紙に、短い文章が入る程度の長方形のマスを、縦に3つ、横に3つ並べて書く
②9マス格子の上に、考えるべきテーマを書いた付箋を貼り、左横に適当なサブワードを3つ、縦に並べて書く
③テーマ×サブワードの組み合わせで連想したことを、短い文章でマスに書いていく
④9マスがすべて埋まったら、格子の下にまとめを書く

上記の見本は、『鬼滅の刃』がヒットした理由を9マス法で私なりに考えてみたものです。

『ロジカルメモ 想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします )

鬼滅の刃のヒットの理由は、キャラクターの魅力、起伏に富んだストーリー展開など、いろいろと考えられますが、ここでは「感動」「言葉」「ビジュアル」の3つの切り口から思いついたヒットの理由を書き込んでいき、9つ書き終わったら俯瞰して、最後の仮説を作るという作業をしています。

9マス法は、1つの物事を1つの側面だけから見るのではなく、できるだけ多くの角度から捉える方法です。そうすることで、1面から見ていただけでは気づかなかったことが発見でき、思いもよらなかったアイデア、ものの見方が生まれます。

ただ、いきなり「ヒットの理由」を考え始めると、「どこから考えたらいいのか……」と思考の迷宮に入り込んでしまうので、まずは切り口を3つ用意するというところが、9マス法のポイントです。

村本 篤信 ライター・編集者

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むらもと あつのぶ / Atsunobu Muramoto

1972年大阪府生まれ。都立国立高校、一橋大学社会学部卒業。大日本印刷に入社後、フリーのライター、編集者に転身。主な編集・ライティング担当作は『3000円投資生活』シリーズ(横山光昭)、『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』(小澤竹俊)ほか手がけた書籍は累計250万部以上。また90年代よりホラー系ドラァグクイーン「エスムラルダ」としての活動をはじめ、各種イベントでの司会やドラァグショー、コラム連載などを行う。

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