一人暮らしのコロナ感染「自宅療養」マニュアル バスタオルを濡らし干す、換気を1時間に2回…

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軽症と医師から診断された場合、入院対象者以外は宿泊療養もしくは自宅療養をすることになります。同居中の両親が高齢で住居スペースを分けることが難しい、もしくは医療従事者と同居している、などそれぞれの事情や状況があります。

「宿泊療養」というのは、その様々な事情を考慮したうえで、地域の軽症者の人数を踏まえて各都道府県が用意した宿泊先に移動し、そこで療養することを指します。宿泊療養の場合、基本的には個室で過ごし、外出や家族・知人との面会はできません。

食事や飲み物は提供されますが、衣服やタオルなどは用意されないので持参する必要があります。なお、食費や滞在費は無料です。施設に配置されている看護師等が定期的に健康状態を確認し、もし症状が悪化した場合には病院への入院も相談ができます。

以下すべての基準を満たし、宿泊療養施設での療養に同意された方が対象です。

【対象者チェック】
☑PCR 検査もしくは抗原検査で、新型コロナウイルスに感染していることが判明した方
☑無症状感染者もしくは軽症であり、入院治療が現段階では不要と医師が判断した方
☑周囲に感染を広げないための留意点を遵守できる方
☑満65 歳以上に該当しない方
☑糖尿病、心疾患などの基礎疾患のない方
☑妊娠していない方
☑免疫抑制剤や抗がん剤を服用していない方
☑アレルギー対応が不要の方

宿泊療養の注意点

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① 施設では一切洗濯ができません。自分で洗濯するか、必要枚数を持って行くようにしましょう。

② 酒類・たばこ・刃物などの危険物は持ち込みできません。

③ 家族や知人が直接持参する場合に限り、差し入れは可能です。事務局が確認して本人に渡します。

④ 宅配やデリバリーの差し入れはできません。

⑤ 食事は全員に同じものが提供されるため、アレルギーや宗教上の理由などの個別対応ができません。

⑥ 自宅から施設へは、都道府県の手配する専用の配送車に限ります。

◆感染防止7か条

繰り返しになりますが、まずは新型コロナウイルス感染症に感染しないように予防に努めること、そして一人ひとりが感染拡大防止を意識して生活していくことが大切です。次の7か条を意識して、この冬を乗り越えていきましょう。

【感染防止7か条】
① 換気をしよう
② 人とは2m離れよう
③ できるだけ徒歩か自転車で移動
④ オンラインで買い物
⑤ 手洗いをしよう
⑥ 外出時はなるべくマスクを
⑦ 帰宅したら顔を洗い、できたらシャワーも

*本記事の情報は、政府の対応なども含め2020年10月時点のものです。

岡田 晴恵 白鷗大学教育学部教授、医学博士

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白鷗大学教育学部教授。医学博士。専門は、感染免疫学、公衆衛生学。共立薬科大学(現慶應義塾大学薬学部)大学院修士課程修了、順天堂大学大学院医学研究科博士課程中退。アレクサンダー・フォン・フンボルト奨励研究員としてドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所に留学、国立感染症研究所研究員、日本経団連21 世紀政策研究所シニア・アソシエイトなどを経て、現職。企画・編著『感染症カルタ』(奥野かるた店)も好評発売中。

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