元野球選手「ウーバー配達員」経て見つけた天職 後輩のために現役引退後の道しるべを作る

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その一方で、「元プロ野球選手が、どうしてそんなことをするのか?」といったネガティブな意見も散見された。この点にも、友永は何もひるむことなく堂々と対峙していた。

1カ月限定でウーバーイーツの配達員として働き、マスク1000枚を寄付した(写真:友永翔太氏提供)

「僕はもう『プロ野球選手』ではないんです。あくまでも、『元プロ野球選手』なんです。さっきも言ったように、いらないプライドがあったら、やらなかったかもしれないし、そもそもSNSで発信もしなかったと思います。

でも僕は自分のため、家族のため、そして誰かのために仕事をしたかった。だから、当初から『稼いだお金で養護施設にマスクを寄付する』という目標を掲げて始めたんです」

そして、5月7日付のツイートで、友永は次のようにつぶやいている。

「とりあえずですが、名古屋養育院へマスク1000枚寄付出来ました。本当に周りの方には僕も感謝で、この時期だからこそ改めて感じる事があります。人の為にってすごい活力になるなって日々感じていて頑張れる自分がいます。子供達も安心して遊べる環境はやく作りたいですね。」

目標達成を通じて新たに芽生えた夢

当初の目標通り、「1カ月限定」で「養護施設にマスクを寄付する」ことを実現した。まさに有言実行だった。この体験を通じて、「働くこと、お金を稼ぐことは大変なんだと改めて痛感した」と語る友永に、新たな夢が芽生えてくる。

「ウーバーイーツで働いていた頃、次の目標として『結婚相談所をやろう』と決めました。タイミングよく相談所の支社長と会う機会をいただき、『結婚という幸せを提供する仕事をしてみないか?』という言葉をいただきました。それですごく興味が湧いて、いろいろ考えているうちに、『おせっかいな自分に向いているかもな』と考えるようになったんです」

こうして友永は、名古屋を拠点に「ブライダルサロンTOMONAGA」をオープンする。「日本結婚相談所連盟」の加盟店となり、現在は成婚に向けて尽力する日々を過ごしている彼に、「この仕事の楽しいところ、大変ところは?」と尋ねる。

「例えば、お見合いの前に男性会員の相談に乗ることがとても多いんです。どんな服を着ていけばいいか、どんな話題をしゃべればいいか、どんなレストランを予約すればいいか、考えなきゃいけないことはたくさんあります。そこで一緒になって服を買いに行ったり、会話の練習をしたり、いい雰囲気のレストランを予約したり、やることは多岐にわたります。

自分が経験していないような恋愛感情についての相談を受けることもあります。一人一人、みなさん違う。1つ1つのケースにどう対応したらいいのかを考えるのはとても楽しい。つらいこと? ありません(笑)」

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