YouTube動画を成功させる"知られざるコツ" コケるPR動画は「2つの真理」を押さえてない

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一方で制作の手間がそれほどかからない動画もあります。例えば何かを行っている様子をただ撮影しているだけの動画が例として挙げられます。

クオリティーの代わりに求められるものが、映されている映像の希少性と具体性です。ユーザーの日常生活の中で目にすることができない様子が映されていれば、ユーザーはその映像自体に興味を持つため、派手な編集は求められません(例えば、「工場での製造技術を紹介する」「珍しい生き物を映す」など)。

そのため、企業が内製化しやすい動画としては、「その企業だからこそユーザーに届けることができる情報が何であるか」をしっかり検討することで、YouTube活用のより具体的な議論へと進めることができます。

ポイント② 映像である必然性を考える

2つ目のポイントは、「それは本当に動画でなくてはならないか」を問い直すことです。たしかに動画は多ければ多いほどいいですが、その動画が映像コンテンツである必要がなければ、ユーザーも見る理由はありません。企業が動画を通じたPR活動を行ううえで、「動画を作ることが目的となっている」場合も多々見られます。

例えば、自社のWebサイトで公開している情報と同じ内容のものを動画として制作したとしても、動画としての情報価値が低いため、ユーザーはその動画を視聴する理由がなくなってしまいます。HPの商品概要をただ台本に落としただけの商品プロモーション動画が伸び悩んでいることからもわかります。

『YouTubeでビジネスを伸ばす動画の成功法則』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

商品の特長やスペックなどを確認するだけであれば、動画を視聴して説明が開始されるまで待つよりも、Webサイトに掲載されている情報を確認したほうが手間が省けるからです。

企業のYouTube活用において、すべての動画が外注で制作されることは現実的に難しいため、内製化による動画制作が必然的に求められるでしょう。そのときに企業としての内製化動画の制作方針として大切なことが、「映像である必然性がきちんとあること」です。

YouTubeはあくまで、企業が広告を出す場所ではなく、ユーザーがコンテンツを楽しむ場所です。これからの動画マーケティングの潮流を正しく捉え、YouTubeを効果的に活用していける企業になるためには、ユーザーファーストな視点を忘れてはいけないのです。

木村 健人 株式会社動画屋 代表取締役

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きむら・けんと / Kento Kimura

1988年生。サンフランシスコ州立大学芸術学部卒。ゲーム制作会社及びIT関連会社を経て、2016年よりYouTube動画SEOサービスを開始。メーカーを中心に企業公式YouTubeチャンネルを手掛け、視聴回数を大幅に改善させる。現在、大手企業から多数の依頼を受ける。著書『広報PR・マーケッターのためのYouTube動画SEO最強の教科書』(秀和システム)、『YouTubeでビジネスを伸ばす動画の成功法則』(SBクリエイティブ)。

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