プーチン氏がリゾート地に「引きこもり」疑惑 クレムリンそっくりの執務室まで作った?
クレムリンのペスコフ報道官は、モスクワ郊外とソチの大統領執務室の見た目は違うと述べている。「報道は間違いだ」と同報道官は9日の電話記者会見で語った。ペスコフ氏によれば、プロエクトの記事はプーチン氏の私生活に関する一連の暴露報道の1つであり、プーチン氏に対する「印象操作、情報攻撃」だという。
「大統領には多くの執務室があるが、1つとして同じものはない」(ペスコフ氏)
ペスコフ氏は、プロエクトが飛行記録を使ってプーチン氏の所在に関する公式声明との食い違いを明らかにしようとしたことに異議を唱えた。大統領専用機がモスクワ以外を拠点とする場合もあるというわけだが、国家元首の移動は警備上の理由から機密扱いになっているとして具体的な説明は拒んだ。
プーチン氏はロシアのニュースメディアに対し、自らの安全を守るための偽装工作は拒否してきたと話している。今年2月には、暗殺者を欺く影武者の採用は大統領就任当初に断った、とタス通信に語った。
プーチン氏がこもるコロナ対策の厚い壁
今年に入ると、プーチン氏が新型コロナに対して他国の国家元首以上に厳重な予防措置を講じるようになったため、その所在を確認することはますます難しくなった。
クレムリンで大統領番をしているロシア人記者団も、3月以降はプーチン氏を間近に見かけることはなくなったと話している。プーチン氏と話ができる距離まで近づく来訪予定者は、事前に最長2週間の隔離が必要となっている。さらに隔離後も、プーチン氏と実際に面会する前には消毒トンネル(空港の金属検知器に似た、消毒剤を細かく噴霧する装置)を通過しなければならない。
プーチン氏は国営テレビで夏に特集が組まれるほどテレビ会議を多用してきた。国営テレビは会議で使われるマイクやディスプレーの存在を伝えたが、執務室は黒海沿岸ではなく、モスクワ郊外の大統領公邸にあるとしていた。
ロシアのニュースサイト「Tジャーナル」がこのネタを再利用すると、スーツを着て真剣な面持ちで公務に取り組み、同じような見た目の執務室に座っているプーチン氏の写真をじっくりと見比べた読者から、多数のコメントが寄せられた。ある読者はこう書き込んだ。「(撮影された)角度は微妙に違う。でも、それでは壁パネルの違いは説明できない」。
(執筆:Andrew E. Kramer記者)
(C)2020 The New York Times News Services
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