こうした状況を受け、マレーシア人的資源省は先月26日、トップ・グローブのグループ会社6社の従業員寮の調査を行い、6社すべてで「労働者住宅最低基準法」の違反事例を発見したと発表した。これらの調査はトップ・グローブだけでなく、今感染が拡大している外国人労働者らを雇用する企業を中心に取り締まりが強化されている。
マレーシア政府は、労働者住宅最低基準法を改正し、労働者が暮らす寮などの最低基準を引き上げるなど、国際社会からの非難を交わし、衛生的な環境を確保するために躍起となっている。トップ・グローブも、数億円を費やして新たな労働者向けのアパートなどを購入したほか、寮の改装などに既に着手し始めている。
日本でも不足の危機 医療用ゴム手袋は水が必要
マレーシアでは現在、新型コロナウイルス感染の第3波が襲っており、3月に敷かれた厳しい活動制限令は解除され企業活動などは再開しているものの、外国人労働者を含め、感染者数は減る兆しが依然見えていない。今月に入って、トップ・グローブは操業を一時停止していた28工場のうち、7工場の稼働を再開したが、残りの21工場は依然として稼働を停止している状況だ。再会には向こう数週間かかるとされている。
一方、日本国内では、大量の水を必要とする医療用のゴム手袋の製造は採算が合わず、マレーシアなどから大半を輸入している状態で、価格の高騰は医療機関にとって深刻な負担となってきている。
日本企業によるマレーシアでのニトリル手袋工場や国内工場の新設の動きも出始めているが、実際の製造開始までには時間を要する。輸入先である海外における出荷量や生産ラインの縮小、工場の封鎖などに、医療用の必需品が影響を受ける「リスクの軽減」は喫緊の課題となっている。
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