日本で「オンライン教育が進まない」本当の理由 海外よりIT技術が遅れているわけではない
学校側では子どもがワイシャツのボタンを留められるか、ネクタイを自分で締められるかということを厳しく観察します。これは、家庭でのしつけがきちんとできているかということの評価につながるからです。
できていない場合は学校から厳しい指導が入ります。公立は私立ほど厳しくありませんが、それでもカバンや靴はきっちりと決まっていて、シャツの上に着るトレーナーや体操服も指定です。指定以外の靴を履いていったり、カバンにアクセサリーをジャラジャラつけていたりすると校門でチェックされ、あまりにもひどい場合は家に帰されることもあります。
また学校に持っていく文房具やノート類も細かく決まっていますし、お弁当箱の大きさや色・柄でさえ学校から指定されていることもめずらしくありません。さらには、お弁当箱の中身にも先生のチェックが入ります。休み時間に食べるスナックは果物か野菜を切ったものだけ、と決まっていることもあるし、純然たるお菓子を持っていこうものなら大問題になったりもします。
毎日の行動を点数制で評価
こうした規定の厳しさは服装や持ち物だけではなく行動面でも同様です。たった4歳や5歳の子どもでも、学校でのふるまいが悪ければイエローカードやレッドカードというペナルティがあります。
たとえば、イギリスの学校の一部では毎日の行動が点数制で評価され、ルール違反を犯した場合は生徒の実名や行為をすべて公表したうえで、ペナルティとして校長室に呼ばれたり親が学校に呼び出されたりします。そういうことはすべて同級生の前で発表され、吊るし上げになります。これを4歳や5歳の幼い子どもに対して実行するのです。
一方、良き行いをした生徒はポイントを加算されたり表彰されたりします。良い行動をする子どもは当然ながら進学する際、校長に推薦状を書いてもらえるなど、ポイント評価が高くなります。ところが悪しき行いに関しては一切、情状酌量はありません。あまりにもルール違反が多い場合は退学させられてしまいます。
こうしたことはイギリスだけでなく、アメリカの成績優秀校や私立の有名校でも同様です。アメリカの学校は自由な学校だらけなのか、という印象を持っている人も多いでしょうが、有名大学への進学率が高い私立の学校は、イギリスの学校のように厳しいところが多いのです。
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