子を夜長く寝かすには「昼寝短縮」が効果的な訳 1日に必要な睡眠時間は実は決まっている

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短くする時間の目安としては、まずはお昼寝を20%くらいカットしてみて、夜の睡眠時間の様子を見ると、うまくいくことが多いようです。だいたいごきげんで、たまに疲れてぐずる程度におさまるお昼寝時間を見つけましょう。

夜の寝つきが一度よくなったのにまた悪化するようなら、さらにお昼寝を短くしてもよいでしょう。

必要なお昼寝の時間は成長とともに減っていきます。「赤ちゃんの睡眠時間」のグラフを定期的にチェックして、調整してください。必要なお昼寝時間を過ぎたら、赤ちゃんを起こしても問題はありません。

お昼寝から起こしてぐずったら、授乳したり、おもちゃや窓の外を見せたりして、気をそらすといいでしょう。

赤ちゃんと遊ぶ時間を増やす

お昼寝を減らすもうひとつの考え方は、お昼寝のあいだに起きている時間を長くするということです。

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お昼寝から早めに赤ちゃんを起こすと、その分早く疲れて、すぐに次のお昼寝をしようとするかもしれません。赤ちゃんと遊ぶ時間を増やして、無理のないように、お昼寝の間隔を長くしていきましょう。

30~45分くらい起きている時間がのびても問題はないのです。もちろん、赤ちゃんがぐったりしていて、明らかにお昼寝が必要なときは、寝かせてあげてください。

決まった時間だけお昼寝をしたのに、就寝時間まであと3時間もあるというときは、夜にすこしだけ寝かせても大丈夫です。とくに、長いあいだ起きていられない小さな赤ちゃんは、仮眠も必要です。ただし、あまり長い時間寝かせすぎないようにしましょう。30〜40分で十分です。

仮眠するときは、赤ちゃんに、「まだ夜じゃないんだ」とわかってもらうことが大切です。ライトは明るいまま、いつものお昼寝の場所で寝かせます。

ソフィア・アクセルロッド 睡眠科学者

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そふぃあ・あくせるろっど / Sofia Axelrod

睡眠科学者で二児の母。ニューヨーク・マンハッタン在住。ドイツのエバーハルト・カール大学テュービンゲン、フンボルト大学で学び、2012 年に生物学の博士号を取得。ノーベル生理学・医学賞を受賞したマイケル・W・ヤング氏の研究室に所属し、睡眠についての研究をおこなっている。自身も物心ついたときから不眠に悩まされ、子どもの寝かしつけにも悩んだことから、睡眠科学者としての知識をわが子の寝かしつけに生かすようになる。(写真:Winter Willoughby-Spera)

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