20~30代が株投資を真剣に始めざるをえない訳

将来に不安があるからこそ手元資金を有効に

(デザイン:藤本 麻衣)

「老後資産が2000万円不足する」

後に波紋を呼ぶ金融庁報告書が公表されたのは2019年6月のことだった。「人生100年時代」は流行語となって、日本中を駆け巡っていた。そんな言葉も使って、老後に備えるための資金運用を促す思惑だったが、それはまた老後の生活設計の行き詰まりを国が認めることでもあった。

報告書はその後、撤回に追い込まれるが、実は専門家にとってはまったく違和感のない内容だった。中高年の人々にも、老後に備えたマネープランの重要性が認識されるようになっていった。そして意外なことに、将来の生活設計に非常に強い危機感を抱いたのが、30代を中心とした若い世代だった。

『週刊東洋経済』は12月7日発売号で、「30代からチャンス! 50代でも間に合う お金と株超入門」を特集。本記事では、とくに投資初心者の30代や子育て世帯に向けたインタビューの一部を抜粋し、これから先のお金について考えていきたい。

「お金を稼ぐことの大切さを言い続けてきた」

老後だけでなく、子育てにも1人当たり2000万円かかるといわれている。子どもの未来への投資は大切だが、お金のことはどの家庭でも頭の痛い問題だ。3男1女の東京大学理科三類への合格をサポートした「佐藤ママ」こと、佐藤亮子さんに話を聞いた。

『週刊東洋経済』12月7日発売号(12月12日号)の特集は「30代からチャンス! 50代でも間に合う お金と株超入門」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

――子育て・教育にかかる費用を考えるとき、そもそも何を目指すのかに悩む親も多いようです。

私の場合は「自活」がキーワードでした。「自立」が目標という方も多いけれど、経済的な意味なのか、精神的な意味なのか、この言葉は少しあいまいです。自活は「自分で稼いで生活する」なので、わかりやすいですよね。稼ぐためには、働かなければなりません。子どもたちには、「人に生活の面倒を見てもらいながら高等遊民のような生き方をするのは卑怯だよ、限界があるよ」とお金を稼ぐことの大切さをずっと言い続けてきました。

――「自活」を見据えてまず身につけさせるべきは何でしょうか。

幼児期に重視したのは言葉、とくに日本語です。いかにいい言葉に触れるかが勝負だと思って、最初に購入したのが絵本200冊でした。長男と次男が年子だったので図書館に通うのも難しく、それなら思い切って買ってしまおうということで。合計20万円ほどかかりましたが、うちは子どもが4人なので結果的に1人5万円という計算です。十分元は取りました。子育てにはお金がかかるって言うけれど、人数分が掛け算になるものばかりではないんです。

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