クラウンがセダン不況の中で改良繰り返す真意 一部改良で内外装の質感と安全性を向上

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14代目までのクラウンは、アスリート、ロイヤル、マジェスタと性格によって分けられていたが、15代目クラウンではシリーズ分けを廃止し、クラウンという価値を1つに絞ったのも特徴となっている。

アスリートは、高齢化するクラウン所有者に対し、購入者の若返りを狙って1989年に生まれた車種だが、歳月を経るに従い、単に年齢の上下ではなく、若々しい心を持った消費者がアスリートを選んでいるとの実態から、上記のように国内専用車でありながらドイツへ試験車両を持ち込み、走行性能を仕上げることにつながったのだろう。近年では、若年層から輸入車に乗る機会も増え、運転の確かな手ごたえは不可欠ともいえる。

ラグジュアリーなクラウンらしさが魅力の14代目ロイヤル(写真:トヨタ自動車)

そこに、かつてはロイヤルで満たされてきた快適さも加味し、走りと乗り心地の調和を果たしたことで、車種の区分けを不必要にしたといえるのではないか。

マジェスタという上級の趣は、内装や装備の充実によってクラウンを買えば満たされるようにした。それでもまだ物足りないという声に対し、たとえば今回の改良での本革仕様の拡充などで対処したといえるだろう。

本質の良さを活かした一部改良で販売台数につなげる

実際に現行クラウンが発売された直後には、内外装の高級感が薄れたと感じた消費者の声もあったようだ。確かにマジェスタやロイヤルを愛好した人の目からすると、内装の質がやや落ちたとか、スポーティ過ぎると目に映った人もいたのかもしれない。

トヨタという自動車メーカーは、そうした顧客の声には敏感なので、短期間に次々に改良を施した。また、そうした対応が迅速にできるのもトヨタならではといえる。走行性能など車両の本質的な部分の改善は施さなくても、内外装を充実させるだけで十分に魅力を保ち続けているのが現行クラウンの実力であろう。それを、この2年間の改良や特別仕様車の内容から感じることができるのである。

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