またコロナ禍で、家で過ごす時間が長くなり、今まで以上にネットを活用した生活に変わったことでIT関連企業の順位の上昇が目立つ。グーグルは、2019年調査の52位から21位に上がり、同様に楽天が121位→34位、ソフトバンクが363位→61位、アマゾンジャパンが102位→67位、ヤフーが94位→81位と順位を上げている。在宅勤務が増えたことから家具大手にも人気が集まっており、ニトリが102位から26位、アイリスオーヤマが130位から50位に順位を上げた。
総合商社は狭き門で勧めにくい
こういった人気を集めている企業とは対照的に、学生の人気企業ランキングの上位に来る総合商社やデベロッパーの不動産、生保、損保は上位には出てこない。これは採用人数の差もあるが、採用大学の偏りも理由ではないだろうか。
大学通信が調査した就職者の大学別人数を見ると、トップのJR東日本は多い順に日本大57人、東北学院大38人、東洋大31人、法政大29人、新潟大28人、早稲田大27人など167大学から採用、女子大もあれば芸術大もある多彩な採用だ。
これに対し67位の三菱商事は、多い順に慶応義塾大30人、早稲田大28人、東京大18人、京都大11人と4校のみ2桁で、その後は東京外国語大と一橋大がともに4人だった。採用大学は21校と難関大ばかりの厳選採用になっている。国公立大を除くと、私立大は東京の大学からしか採用していない。こうなると、学生に人気があってもキャリアセンターは総合商社を勧めにくい。
今年の就活は厳しかったが、来年はもっと厳しくなると見られている。同時に、入試にも影響を及ぼしそうだ。なぜなら、就職を考えながら大学・学部を選ぶのは当たり前になっているからだ。来年の大学入試ではそれを見越して、文系より就職の良い理系学部が人気になりそうで、なかでも国家資格と直結する医療系学部が人気になりそうだ。4年後はどうなっているかわからないが、来年入試では安定した職業の人気、安定した企業に強い大学・学部の人気が高まるのは確実と見られる。
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