ウッドデッキ設置は違法!?ベランダ活用の盲点 分譲マンションでも賃貸物件でも要注意
――ベランダにたくさん物を置くと違法になるのでしょうか。
ベランダの使用が違法と評価された過去の裁判例として、温室の設置、サンルームの設置、クーラー室外機の外壁への設置などがあります。
――今回のケースはどうでしょうか。
テーブルや椅子の設置については、避難経路としての使用を妨げない程度の大きさや数であれば設置が許される場合もあると思います。
一方で、ウッドデッキやマットの設置は、隣接するベランダの床面と段差を生じ、避難にあたってつまずくなど危険もある上撤去も容易でないため、より厳しい判断がされるのではないかと思われます。
――もし違法な状態だとして対応しなかった場合、どうなるのでしょうか。
いずれかの物件の設置が規約やその性質に反し、共同の利益に反する行為にあたるとした場合、区分所有法に基づき、管理組合等がその行為を停止し、工作物等を除去するよう求めることができます。
また、一定の場合には、区分所有者の有する居宅の使用禁止請求や区分所有権の競売請求まで認められています。
さらに、避難の障害となるような障害物をベランダに置いている場合、消防法にも抵触するおそれがあります。
今回のケースで、いきなり上記のような法的な請求を受けたり、手続がとられたりすることはないと思いますが、問題化する前に規模を縮小するなどの対応をとるのが適当かと思います。
賃貸物件の場合、より一層ベランダ利用が制限
――今回のケースは分譲マンションでしたが、賃貸物件でも同じ扱いなのでしょうか。
不動産を借りている人がその居室などの専用部分に及ぼす権利は、所有している人の権利に比べて弱いです。賃貸物件に住む人は所有者よりもベランダの利用を制限されると思っておいたほうがいいです。
法律上の根拠で言えば、賃貸借契約上の具体的な利用制限に違反したり、一般的な用法遵守義務に違反しているとして、その利用を制限されたり、賃貸借契約自体を解除されたりするおそれがあります。
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