1億匹の動物を屠殺する「毛皮工場」の衝撃実態 デンマークで1700万匹のミンクが殺処分対象に
アニマルウェルフェア(動物福祉)の啓発に取り組む非営利団体「フォー・パウズ・インターナショナル」によると、市場で流通している毛皮の95%が飼育場で飼育された動物によるものだ。ミンクやキツネ、アライグマなど、年間約1億匹もの動物が劣悪な環境で飼育され、屠殺されている。
欧州では、このような「毛皮工場」を禁止する動きが広がってきた。イギリスでは2000年にいち早く禁止され、2004年には、オーストリアでも禁止された。現在、スロベニア、クロアチアといった東欧諸国や、ノルウェー、ベルギーなどでも、原則禁止されている。
また、オランダでは、2024年に毛皮工場を全面的に禁止する計画であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、これを2021年に前倒して実行する見込みだ。
中国や南米では「毛皮の需要」が伸びている
毛皮の需要は、中国や南米など、一部の地域で伸びているものの、毛皮に対する消費者の考え方や姿勢は変わりつつある。「フォー・パウズ・インターナショナル」がドイツで1046名を対象に実施したアンケート調査によると、回答者の84%が「ファッション産業の毛皮生産のために動物を飼育し、屠殺することに反対する」と答え、76%が「毛皮の販売は時代遅れだ」と答えている。
1973年生まれ。アメリカ・MBA(経営学修士号)取得。起業支援や経営戦略の立案など、経営のプロフェッショナルとして約10年にわたる実務経験を積んだのち、2008年、ジャーナリストに転身。欧米、アジアでの現地取材のもと、持続可能な社会づくりに向けた技術イノベーションや次世代ビジネスの動向を、グローバルな視点から追う。
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