占い大国「スリランカ」住んでみたらどうなるか 結婚や就職の面接も占星術を重要視している

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

スリランカの人々の生活には占星術(星占い)が古代より根付いていますが、これも病気にならず、心身のバランスを保ち、幸せな日々を送るための「アーユルヴェーダ」の1つと考えられています。

結婚するときも、占星術によるホロスコープ(その人を占うための天体の配置図)が重要になります。合わないと両家が反対しますし、親が子どものホロスコープを片手に結婚相手を探すという婚活もごく普通にみられます。

そして、結婚が決まれば、式の日時はもちろん、花嫁支度を開始する時間から指輪をはめる時間、誓いのキスをする時間に至るまで、占星術に沿うのが普通なのです。同じように、就職の面接でも企業側が占星術で合う人を採用しますし、政治家が海外に外遊する日時も占星術で決めていると言われています。

占星術師が新年の日時を決める

極めつけは、お正月。日本人なら1月1日の午前0時からが新年ですが、スリランカでは大統領のお付きの占星術師らが「今年は何月何日の何時何分から新年にします」と決めるのです。ちなみに2020年の年明けは、4月13日の20時23分でした。不思議な感覚ですよね。

どの家庭にもお気に入りの占星術師がいて、赤ちゃんが生まれたらすぐ彼らに生まれた日時を告げます。そして、その子の性質、資質、気をつけるべき点を聞き、幸せな一生が送れるように導いていくのです。日本で言うと「占い師」ではなく、「かかりつけ医」というような感覚でしょうか? 占星術抜きではスリランカを語れないのです。

そのため、占星術鑑定に呼応する石を持つのもポピュラーな文化となっています。古代の王族のように、宝石は単なる装飾品というよりも、お守りの意味合いが強いのです。これらは「お守りジュエリー」「ホロスコープジュエリー」と呼びます。

次ページこんな時代だからこそ触れてみたいスリランカの文化
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事