稲盛和夫「人を雇うなんておこがましい」の真意 躍進する企業経営者は「成功哲学」を持っている
「フリマは売買なので、同時にシェアするわけではありません。ただ売買といっても、ユーザーに商売っ気はない。それより、例えば着られなくなった子ども服を、大切に使ってくれる人に引き継いでほしいという思いで出品している人が多いんです。
モノがメルカリのなかでぐるぐる回っている状態は、まさにシェアリング・エコノミーといっていいかと思います」
なるほど、「時差ありシェアリング」というわけだ。
山田は早稲田大学卒業後、映画や写真関係のサイトやゲームを展開する会社を立ち上げた。そのゲーム会社を売却し、なんと世界一周の旅に出てしまう。
「半年少しかけて、二十数カ国を周りました。飛行機をなるべく使わず、電車やバスで移動したことで、地域ごとの文化の違い、豊かな国と貧しい国があることなど、肌感覚でつかめてきた。これは、いま世界展開するうえで、大いに役に立っています」
日本発のユニバーサルサービスを目指す
そして、帰国後にメルカリを始める。
「旅立つ前はガラケーが主流だったのが、帰国したら、みんなスマホを持っている。衝撃でした。個人取引は面白いと思っていましたが、ヤフオク!には太刀打ちできない。ひっくり返すなら、スマホが普及し、個人と個人が簡単につながる『いま』だと、立ち上げました」
山田は、自分のことを「リバタリアン(自由至上主義者)」だと言っている。
「国という枠組みが秩序を保っているのは理解していますし、否定するつもりはありません。ただ、いいサービスを作り、できるだけ多くの人に使ってもらいたい。それには規制は少なく、国境は自由に越えられたほうがいい。その意味でリバタリアンだと言っています」
実際、メルカリは早くから世界を視野に入れ、現在はアメリカでサービスを展開しているという。なぜ、アメリカなのか。
「アメリカが世界の縮図だからです。アメリカの多様な人種の中で受け入れられるサービスを作れば、世界のどこでも通用します。日本発のサービスは、どうしても日本っぽいサービスになってしまう。僕たちもアメリカに行って初めて、何がユニバーサルサービスなのかがわかりました。
例えば、文字に頼った説明はダメですね。文字の説明がなくても、一目で『これはやっちゃいけない』とわかるデザインにしないといけない」
アマゾンやフェイスブックなどアメリカ発のサービスが席捲するITの世界に、「日本発」が斬り込んでいくのか。私は注目している。
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