ドラフト会議「今年の球児」は大成が見込める訳

試合で酷使されず肩肘を温存したままプロへ

2010年以降の春夏の甲子園での優勝、準優勝投手のうちプロに進んだ主要な選手の実績は以下の通り(成績は2010年10月13日時点)。

●2010年
春夏 優勝 興南(沖縄)島袋洋奨
 ソフトバンク 0勝0敗0S0H 防御率0.00(引退)
春 準優勝 日大三(東京)山﨑福也
 明治大→オリックス 14勝21敗0S1H 防御率4.44
夏 準優勝 東海大相模(神奈川)一二三慎太
 阪神 一軍出場なし(引退)
●2011年
春 準優勝 九州国際大付(福岡)三好匠
 楽天 内野手転向
●2012年
春夏 優勝 大阪桐蔭(大阪)藤浪晋太郎
 阪神 51勝46敗0S4H 防御率3.39
●2013年
春 優勝 浦和学院(埼玉)小島和哉
 早稲田大→ロッテ 10勝11敗0S0H 防御率3.66
春 準優勝 斉美(愛媛)安樂智大
 楽天 6勝14敗0S5H 防御率3.94 
夏 優勝 前橋育英(群馬)髙橋光成
 西武 31勝32敗0S0H 防御率4.17
●2014年
春 優勝 龍谷大平安(京都)高橋奎二
 ヤクルト 6勝10敗0S0H 防御率4.99
●2015年
春 優勝 敦賀気比(福井)平沼翔太
 日本ハム 内野手転向
夏 優勝 東海大相模(神奈川)小笠原慎之介
 中日 16勝24敗0S0H 防御率4.19
夏 準優勝 仙台育英(宮城)佐藤世那
 オリックス 一軍出場なし(引退)
●2016年
夏 優勝 作新学院(栃木)今井達也
 西武 15勝17敗0S0H 防御率4.80
準優勝 北海(北海道)大西健斗
●2018年
春 準優勝 大阪桐蔭(大阪)根尾昂
 中日 内野手転向
夏 優勝 大阪桐蔭(大阪)柿木蓮
 日本ハム 一軍出場なし
夏 準優勝 金足農(秋田)吉田輝星
 日本ハム 1勝3敗0S0H 防御率10.90
●2019年
春 優勝 東邦(愛知)石川昂弥
 中日 内野手転向
夏 準優勝 星稜(石川)奥川恭伸
 ヤクルト 一軍出場なし

阪神の藤浪は一時期エースとして活躍した。また西武の高橋光成、ロッテの小島和哉は先発投手として台頭しつつあるが、総じて華々しい活躍とはいいがたい。

2010年春夏優勝の興南、島袋洋奨や、2015年夏準優勝の仙台育英、佐藤世那のように実績を残さずにすでに引退した選手もいる。また野手に転向した投手も散見される

松坂大輔に代表されるように、かつての甲子園優勝投手は入団し、即大活躍というイメージがあった。しかし、今のプロ野球では極めて例外的だ。21世紀以降では、駒大苫小牧で2006年春優勝、夏準優勝で、楽天に1位で入団し、1年目に11勝を挙げた田中将大(現ヤンキース)だけだ。

今やNPBを代表する速球投手となったソフトバンクの千賀滉大(蒲郡高、62勝35敗1S20H 防御率2.78)、昨年の防御率1位で今季は奪三振王のタイトルが確実視されるオリックスの山本由伸(蒲郡高、21勝13敗1S32H 防御率2.41)など、一線級で活躍している投手の多くは、甲子園と縁がなく、プロに入ってから素質が開花した投手だ。

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