「50代以降独立できる人」にはある意外な強み 「営業ができる」「経理ができる」は重要ではない

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例えば、「商品も顧客層も営業活動のスケールも異なる中小企業の現場に、大企業の営業システムをそのまま持ち込むことはできないが、自分がやってきた顧客データをエクセルで管理・分析し、営業活動に活用する手法は十分応用できる」といった発見があったとしましょう。それこそがあなたにとっての「強み」候補です。

次に、あなたが顧客データの管理・分析・活用に関して、どのような工夫を重ねてきたか、活用するにあたっての課題をどう克服してきたかなどを整理します。そして他流試合の現場で提案してみるのです。

もちろん最初からすべてうまくいくとは限りません。しかし、同じ業務に関して多くの経験を重ねてきたあなたには、改善点のありかや改善方法などを見出すセンスが身についているはず。それは大きなアドバンテージになります。

すごい経験より大切なのは希少性

「エクセルを使った顧客データの管理・分析・活用なんて、誰でも当たり前にやっていることだし、そんなことが強みになるの?」と感じた人も多いかもしれません。

『50歳からの幸せな独立戦略』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

しかし、独立で強みになるのは「すごい経験」ではありません。何億円の売り上げを上げたとか、会社全体の人事制度改革のリーダーを務めたといった派手な実績は必要ないのです。むしろその手法を独立したあとの顧客候補企業で応用できないなら、派手な実績に意味はありません。

大切なのは、もといた企業においては「普通の経験」にすぎなくても、それがピンポイントでこれからターゲットとする顧客のニーズに嵌(は)まるかどうかということです。勤めていた企業にとっての当たり前が、ほかの企業にとっても当たり前だとは限りません。「そんなやり方があったのか!」という発見につながることが多々あります。

前川 孝雄 FeelWorks 代表取締役

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まえかわ たかお / Takao Maekawa

兵庫県生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートを経て、2008 年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志にFeelWorksを起業。約400 社で「人が育つ現場」創りを支援。働きがい創造研究所会長、青山学院大学兼任講師、企業研究会協力委員、ウーマンエンパワー賛同企業審査員も務める。『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(KKベストセラーズ)、『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHPビジネス新書)など著書多数。

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