コロナで留学中止「学生派遣できず」苦しい現実

オンライン授業の「できること」「できないこと」

コロナ禍における大学の取り組みとしては、募集説明会、帰国者報告会、留学フェアなどすべて対面からオンラインに移行。中でも帰国者報告会は、Zoomでオンライン配信され、活動報告も動画で閲覧できます。

今までクローズドでの実施だったのが、オンライン化でオープンに発信されることになった1つの事例といえるでしょう。

オンライン帰国者報告会の様子(写真:関西学院大学提供)

現在は、国際教育の機会を継続的に提供することを目的として、協定校とのオンラインプログラム(夏季休暇期間は海外11大学のプログラムを実施)を学生に提供したり、従来は対面で実施していた英語運用能力試験対策講座をオンラインで実施したりしているそうです。

ポストコロナ時代に向けての取り組みとして、御法川氏は現時点で次の3点を考えているといいます。

①オンラインと海外渡航とを組み合わせた「Hybrid/Blended」型のプログラムを開発予定
②COIL型の授業の推進
③海外派遣の再開に向けた学生の安全管理体制の整備(COVID-19に対する渡航前、渡航後の安全管理を徹底したうえで派遣を再開する)

「COIL」とは、ICTを用いてオンラインで海外大学との双方向の交流を行う教育手法。文部科学省が「大学の世界展開力強化事業」で支援しているのもあり、コロナ渦の新しい学びの形として注目されています。

「全員留学」を推進してきた千葉大学

2020年度から「千葉大学グローバル人材育成"ENGINE"」を始動して、国立大学では初となる学部・大学院生の「全員留学」を実現すると発表した千葉大学。現在はどのような状況なのか、渡邉誠理事(教育・国際担当)に話を聞きました。

同大も海外への渡航者に対して3月に帰国を要請。一部の学生は在留を強く希望したものの、5月末までには全員が帰国したそうです。大学で実施している留学プログラムは、2月までは実施できましたが、3月以降については現在に至るまですべて中止。10月1日からの第4ターム以降も当面は中断する予定といいます。

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