今時の高校生が「制服での管理」に抵抗が薄い訳

「服装の乱れは心の乱れ」神話が復活している

一方で「家計」を人質にする卑劣なブラック校則も(写真:プラナ/PIXTA)
学校制服の役割に変化が見える。かつて生徒は高校紛争、ツッパリブーム、コギャルブームなどを背景に、校則に反発し服装の自由を求める傾向があった。しかし、昨今では私服の高校が制服化したり、厳しい校則が受験生への「売り」になったりしている。それは、個性と管理で揺れ動く学校教育の進化や多様化とも言える。社会が大きく変わろうとする今、制服はどうあるべきか。教育ジャーナリスト・小林哲夫氏の新刊『学校制服とは何か その歴史と思想』より一部を抜粋・再構成し、3回にわたってお届けする。

再評価される「服装の乱れは心の乱れ」

1990年代、2000年代になり、詰襟とセーラー服はどんどんブレザーに移行した。不良ファッションは腰パン、ミニスカートとルーズソックスが主流となった(「不良」という言い方も合わなくなってきた)。「ブルセラ」「コギャル」「援助交際(援交)」で語られた女子高生ブームが起こったころだ。

腰パンとはズボン・パンツを低い位置まで下ろしてはくスタイルだ。2010年、冬季オリンピックバンクーバー大会のスノーボード・ハーフパイプ日本代表の國母和宏の腰パン姿を思い出してほしい(そのころはすでに時代遅れ感もある)。腰パンスタイルの「チーマー」による喝上げ、「ホームレス狩り」と称して傷害事件も起こっている。

「援交」「ブルセラ」には、「なんちゃって制服」も入ってくる。制服が金を引き出した。制服モデルチェンジによる女子高生総「かわいい」化でミニスカートとルーズソックスは犯罪を招き入れるのではないかと学校の生活指導担当教師を悩ませた。

「服装の乱れは心の乱れ」というフレーズは神話ではなく教訓として、1970年代の長ランとボンタンとロングスカートの時代から、この時代まで生き続けた。ロングスカートが一転ミニになっても教師はモノサシ片手に生活指導に励む。このあたり、制服をめぐる生徒vs.教師の攻防という構図は続いていた。新制高校誕生から数えると半世紀以上である。

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