変貌する日本政治 90年代以後「変革の時代」を読みとく 御厨貴編 ~変転した日本政治20年にさまざまな問いかけ

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 また、小沢一郎という存在感の大きい政治家は、政策と政局のはざまで何をどう一貫させ、逆に変化させてきたのか。あるいは、日銀法の改正によって日銀と政府・財務省の関係にはどのような変化が生じてきたのか。本書には、その他にもさまざまな問いかけがある。

編者の御厨氏は、90年代以後を二つの時間軸で考察してみてはどうかと提案している。平成という元号と西暦であり、2000年でどの程度区切れるのかが焦点となる。また、三つのサイクル史観として、長期政権と短命政権が繰り返されてきたことを指摘している。なかなかに興味深い。

小泉改革と民主党への政権交代という巨大な変革を経た今、これからの日本政治の行く末を考えるとき、こうした研究書はさらに蓄積されねばならない。そして、恐らくさらに重要なことは、それが一般の多くの人々に読まれることではないだろうか。

みくりや・たかし
東京大学先端科学技術研究センター教授。専門は政治学、日本政治史。1951年生まれ。東京大学法学部卒業。東京都立大学教授、政策研究大学院大学教授などを経る。当事者にインタビューして、その歴史記録をまとめる「オーラル・ヒストリー」に積極的に取り組む。

勁草書房 2940円 320ページ

  

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