学校の先生を「味方にする親」の絶妙な"言い方" リクエストとクレームの違いがわかりますか?
できる教師なら、「子どもがこうすれば理解しやすいんですけど……」と保護者から提案を受けたら(無理ではない提案や要望ならば)快諾してくれることでしょう。
力があってできる先生は、保護者からの具体的なお願いに協力的です。「あの保護者は、子どもが学校でうまくいくように力を貸してくれている」とありがたく受け止めます。
一方、ダメな先生ほど、保護者からのリクエストは「めんどくさいもの」「クレーム」と受け止めがちです。
近年は若手の先生が増えています。経験の浅さゆえにお子さんの困りごとに気づかないケースもあります。そんなときこそ、保護者から先生に「具体的な行動レベルのお願い」をしてほしいのです。
リクエストとクレームの線引きポイント
ここまで読まれた保護者の方は、こんな疑問をもたれるかもしれません。
「先生にお願いすることは、どこまでが正当なリクエストで、どこからが過剰なクレームなのだろう?」
リクエストとクレームの線引きポイントは、どこにあるのでしょうか? 私は、「正当な理由があるかどうか」によると思います。
正当な理由とは、「子どもが困っている→だからこうしてほしい」という配慮のお願いです。
先に挙げた例のように、
「うちの子は板書を書き写すのに時間がかかる→だからうしろの黒板に書き残してほしい」
これは、子どもの困り感に対応した配慮のお願いです。
ほかにも、
「うちの子は視力が悪い→だから板書が見えやすいように前の席に座らせてほしい」
「慢性的な病気をもっている→だから体育の時間は運動量を軽減してほしい」
というのも、正当な理由です。
しかし、
「うちの子は先取り学習をしている→だから、うちの子だけ教科書の先の単元を教えてほしい」
「うちの子はなんでも1番にならないと嫌→だから、うちの子だけ朝1番に登校できるよう7時半登校を認めてほしい」
などのお願いは、「正当な要望」には当たらないと思います。
授業の進度については、全国どこの学校でも教育カリキュラム(学習指導要領)が決まっています。また、「7時半に登校できない」ということが、お子さんの「困りごと」かというと、そうでもないでしょう。むしろ、お子さんには「1番になれないこともある」「ルール(登校時間)がある」ということを学ぶいいチャンスだと思って、定時での登校にチャレンジさせてほしいと思います。