「愛犬家連続殺人」死刑囚息子が語る壮絶な人生 「自分もいつ殺されてもおかしくなかった」
やがて裁判が始まる。和春氏は「自分にとってたった1人の母親だから裁判に行かせてくれ」と、妻の親に頼み法廷へ向かう。
「そこで久しぶりに見た母親は小さくなっていました。明るさがなくなっていました。自分の親が腰縄をつけられ、捕まっているという光景はショックでした。すると関根も法廷に入ってきました。私を見ると『おう、元気か』と明るく声をかけてきたんです。ふざけるな、と思いました。腹が立ちました。
母と再婚した当初、関根は優しかったんです。しかし小学生の頃になると虐待が始まりました。裸で家の外に放り出され、正座をさせられて足の上にブロックを置かれ、ボールペンで腹も刺されました。理由は掃除をしていなかったから、とかそんな理由です。
包丁で手を切られそうになったこともありました。遊ぶお金が欲しくて親の財布からお金をとってしまったことがあったんです。それがバレると『盗むような手ならいらないだろう』と包丁で手を切られそうになりました。今思うと、自分もいつ殺されてもおかしくなかったんだと思います。それを母親は守ってくれました」
死刑囚の息子として今思うこと
2009年に2人の死刑が確定。その後、関根元死刑囚は獄中で病死。風間死刑囚は現在も東京拘置所に収監されているが、殺人への関与を否定し、再審請求を続けている。和春氏は母親への複雑な思いを語った。
「被害者の方たちには申し訳ないと思う。謝って許されることではないけれど、申し訳ないです。しかし子どもとしては、刑が執行されて、もう母親に会えないかと思うと怖いし悲しい。母親が殺人をしていないと言い切りたいけれど、自分はその場にいたわけではないからわからないです。でも信じています。やったのかやっていないのか……捜査を尽くしてほしいという思いはあります」
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