「ホテルは一般的なビジネスホテルのシングルルーム。説明してくれた重装備の職員の人との距離。ペッパー君の無感情な声に、『ああ、俺コロナになっちゃったんだな……』と気分がかなり滅入りました。部屋から出られるのは、食事を1Fのロビーに取りに行くときのみ。
朝食8~9時。昼食12~13時。夕食18時~19時の3回。やることがないので、食事のアナウンスが流れるとみんな一斉に1Fに向かうので、エレベーターはパンパン。“全員陽性なんだよな……”と思うと気持ちのいいもんじゃないです。あたりまえですけど、皆さん一言もしゃべらない。下向いて、どよーんと暗い。まるでゾンビの群れのようで、自分もその一員なんですけどね。初日の夕食は唐揚げ弁当。結構重いものが出て驚いたんですけど、食べたらものすごく疲れてしまい、あっという間に寝てしまいました」
一緒に飲んでいた友人も……
AM 7:30。「検温してください」という館内放送で起床。体温35.8℃。健康観察シートに書き込んだ。ホテル隔離で初めての朝。目覚めは悪くない。朝食はおにぎり3種盛り弁当。時間ギリギリに弁当を取りに行ったが弁当2つ確保できたので1つは間食に回す。昼食はサバの定食。夕食は肉団子。意外と重くて、美味しいのが嬉しい。飲み物は水とお茶が飲み放題。あとは自動販売機のジュースが買える。
「ごはんを食べる以外は本当にやることがないので、自然と考える時間が多くなっていました。ジムの先輩や上司の人たちとも事務的な連絡を取っていましたが、会員さんたちにコロナが出たことを告げたということを聞かされていなかったので、いろんなこと考えては不安になって……コロナの症状はよくなっているんですけど、精神状態がどんどん病んでいって、鬱みたいになっていました。LINEや電話で外部と連絡は取れるので、気晴らしに電話でもすればいいのかもしれませんけどね。
僕が感染したと思われる日に一緒に飲んでいた友人も、『無症状だから大丈夫だ』と言っていたのが、ここにきて陽性になったと連絡がありました。友人や家族に電話をするにも、何を話していいのかわからず、こちらから進んで連絡する気が全然起きてこない。結果的にどんどん塞ぎ込んでいってしまったと思います」
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