コロナ感染、28歳の彼が味わった隔離7日全記録 本人、同居人、職場など周囲には何が起こったか

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ジムの代表は語る。

「沢田の行動をトラッキングした結果、金曜日に勤務が終わった夜に繁華街で感染し、土曜日が勤務。日曜日が休日で発症なので、顧客やスタッフと接触の機会があったのは1日だけ。僕としてもコロナはしっかり対策をすれば、過剰に恐れるものではないと考えています。

ただ、世の中を見てもコロナに対する危機意識の違いは人それぞれです。トレーナーに陽性患者が出たことで『ジムに行きたくない』と思う会員さんもいるでしょうし、外資系など企業によっては報告義務を課しているところもあります。直ちに全会員さんにお伝えしようと決めました。その結果、100%ではありませんでしたが、それに近い会員さんから理解をいただけました。

やはり皆さん、東京のど真ん中を拠点にしている以上、コロナとどのように向き合うかを真剣に考えている方が多く、過剰に恐れることもしなければ、対策を疎かにすることもない。発表をした以降も予約が減ることはありませんでしたね。それでも、ジムからクラスターが出てしまったら死活問題です。僕自身、数日間は枕を高くして眠ることができませんでしたね」

ちなみに、沢田さんの彼女が勤める会社は、同じように当該人物と濃密接触した疑いがなかったため、保健所の助言どおりに告知をせずに営業を続ける選択をし、その後も感染者も出なかったという。

「コロナは容体が急変する病気なので絶対来て」

8月26日(水曜日) 自宅待機3日目
朝起きてグレープフルーツを食べる。味覚はない。体温は36.6℃。薬を飲まなくても平熱を保てるようになってきた。関節痛の違和感もだいぶマシに。調べてみるとホテル行かずに自宅待機のままの人もいるらしい。彼女も陽性だし、このまま自宅待機でいいんじゃないだろうか。
夕方に保健所から連絡が来たので聞いてみると「コロナは容態が急変する病気なので絶対に来てください」と強く断られた。明日の午後に迎えの車が来るという。ちなみに交通費、ホテル、食事の費用もタダとのこと。明日から離れ離れになる彼女にカレーを作ってあげた。隔離生活はどんなものになるのだろう。不安しかなかった。
8月27日(木曜日)ホテル隔離1日目
8時起床。体温36.7℃。14時20分ごろに病院への送迎車が来た。彼女と別れて白のワゴン車に乗る。“東京2020”のロゴが見えた。オリンピックで使う予定の車だったのだろうか。車内はクリアシートで後部座席を区切った完全な防疫仕様。通常は2~3人が乗るらしいが、1人で東京駅近くのビジネスホテルへ。
車から降りると、ホテルの入口で防護服を着た担当者から説明を受ける。ずいぶんと遠い。5mほど離れた場所から話されるので聞こえづらい。館内に入ると、ペッパー君(ロボット)が出迎えてくれた。『コロナニマケナイデクダサイ』『コロナニマケナイデクダサイ……』。そんな言葉を連呼するペッパー君の声に心細くなり涙が出そうになる。必要なものを受け取ってエレベーターで自分の部屋へ。隔離生活がはじまった。
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