通勤電車、いまこそ「有料座席」を増発すべきだ 収益改善と密回避、鉄道会社・乗客双方に利点

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このうちいくつかの鉄道事業者は、コロナ禍に対応して運用の修正を行っている。その中でも目立つのが京王電鉄の京王ライナーだ。

京王ライナーは、平日は新宿―京王八王子および橋本間の運行で、新宿―府中・京王永山間は無停車、以西は特急停車駅と同等とし、遠距離通勤者に快適な通勤を提供している。料金は410円均一で、ウェブあるいは駅の券売機で購入する。

休日は新宿と高尾山口を結ぶ観光列車も運行している。朝の高尾山口行きは途中無停車で、夕方の新宿行きは平日同様、府中までは特急停車駅に停まり、そこから新宿までは無停車になる。料金はやはり410円だ。

京王は朝時間帯に増発

ダイヤ改正を行ったのは平日のみで、6月1日から夕夜間の下り列車は0時台の2本を運休とし、京王八王子行き・橋本行きそれぞれ7本から6本に減便した一方で、朝は京王八王子発は5時台と8時台、橋本発は9時台の列車を増発し、合わせて3本増となっている。

京王ライナーに使用する5000系(筆者撮影)
ライナー使用時以外はロングシートで走らせる(筆者撮影)

京王電鉄広報部に話を聞くと、もちろん需要に合わせたもので、夜の減便はJRの終電繰り上げと同じ理由なのに対し、朝の増発はラッシュの混雑を避け着席通勤を望む利用者が多かったためであるといい、増発後も朝については座席がある程度埋まっているとのことだった。

京王ライナーに使われる5000系は現在は6編成が在籍しているが、このうち予備車を除く5編成すべてが稼働している状況だという。

京王電鉄全体での輸送人員は、5月は前年同月比で52.9%もの落ち込みを見せたが、6月は34.5%、7月は31.6%と回復基調にあり、朝だけ見ると緊急宣言後9割レベルまで回復したという。

筆者は先日、新宿18時発京王八王子行きの京王ライナー3号の状況を観察した。京王ライナーは全列車2番線から発車する。案内表示も多くわかりやすい。入線前はさほど並んでいなかったが、回送列車が到着してドアが開くと、乗客が次々に乗り込み、2人掛けの座席はほとんどが埋まった状態で発車していった。

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