ロス日本食店襲ったアジア人ヘイト犯罪の全貌 被害受けたマネジャーが語る一触即発の瞬間
「投げ込まれた石を見ると、溶岩みたいにゴツゴツしていて、工事現場や採石場にあるような大きな石でした」とAさん。道端に偶然落ちているような形状の石ではなく、あくまで投石する目的で、犯人が複数の石を運んできたのではないか、と語る。
さらにAさんは、すぐに店の防犯カメラに映っていた犯人の映像をじっくりチェックした。「黒い細身のジーンズを穿き、赤いタンクトップを着て、黒いバックパックを背負った背の高い人物が映っていました」。トーランス市警にこの映像を証拠として提出するため、Aさんは何度もビデオを見直し、映像の切り出し作業を自ら行った。
ガラスの修理代は2000ドル以上
割られた2枚のガラスの修理代は2000ドル以上かかった。コロナ感染防止のため、店内営業が禁止となり、テイクアウトのみの営業で、売り上げが減っている同店にとって、この修理費は、泣きっ面に蜂とも言える負担だった。
翌日、Aさんが同店の近くのカーソン通りを車で走っていると、昨日の防犯カメラに映っていたのとまったく同じ服装をした背の高い男が、自転車を押して歩道を歩いていた。「九分九厘、こいつが犯人だと思いました。前日に穴が開くほど見たビデオ映像と、まったく同じそのままの格好でしたから」。
警察に通報するため、Aさんは近くのショッピングセンターの駐車場に車を停め、車の外に出た。歩いている男を見失わないように注意しながら、携帯にすでに登録してあるトーランス市警の電話番号をプッシュした。緊急通報の911ではなく、警察のオフィス番号だ。
「昨日の投石事件の容疑者らしい人間を見かけたのでリポートしたい」と伝えた。だが、Aさんが男を目撃したその場所は、トーランス市警の管轄ではなく、ロサンゼルス郡保安警察のカーソン市支部の管轄であることを告げられ、カーソン保安警察の電話番号にかけ直すように言われた。
「教えられたカーソン保安警察の電話番号にかけると、英語で通話の方は1番、スペイン語で通話の方は2番という案内が流れて、番号を間違えないようにプッシュするのに、手元の携帯を見て集中する必要がありました。その間、相手からちょっと目を離したんです」とAさん。
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